血塗れ少女はドSに好かれる【沖田総悟】

面白くない ページ36

「沖田...顔怖いよ......？」

「俺は元からこんな顔でィ」

沖田の部屋に引きずられ、
部屋に着くなり放り投げられ今に至る。

その場に座り直すと、
沖田は目の前にどかっと胡座をかいて座った。


「怒ってるの？」


完全にわかってはいるが、沈黙に耐えられず聞いた。
沖田は「あ？」とこっちを白い目でみた。



「そりゃ面白くねぇだろ。
朝っぱらから自分の女と野郎がいちゃついてるところなんか見たら」

「自分の女って言うのやめてくれる？
私沖田の女じゃないし。
あといちゃついてもないから」

「悪ィ、言い方悪かったなハニー」

「気持ち悪っ...私と非番変わろう沖田。
今すぐ病院にいこう？ね？」



今日も暴走する沖田を落ち着けと止めると、
彼はため息をついて話し始めた。



「ま、自分の獲物他のやつに取られたら
面白くねぇ。気に食わねぇ。不快って事でさァ」

「獲物っていうのもやめて欲しいかな。
あと、山崎はそんなんじゃないから」

「浮気する女は大体そう言うんでィ」

「そもそもお付き合いもしてないのにどうやったら浮気になるのよ」

「ひでぇやA！！！！
俺との事は遊びだったって言うのかィ！！！
散々俺の心を弄んでたんだな......！！！！」

「ちょっと大声で言うのやめてよ誤解産むでしょ。
って、ちょっ........！」



そういって沖田の口を自分の手でがばっと覆おうとすると、腕をぐいっと引っ張られ沖田の上に倒れ込んだ。



「ちょっと何すんの...」



私がそう言って上半身を起こすと沖田は寝転んだまま私のほっぺをぐいーと引っ張った。



「やめてくれないかな痛いんですけど」




そう言ってもむにむにと私のほっぺを無理やり引っ張ったり持ち上げる沖田に「ちょっと」と腕を掴んで止めた。





**沖田side




「ちょっと」



俺の腕を掴んで自分の頬から離すAの顔をじっと見る。
意味がわからず不機嫌そうに整った色素の薄い顔で俺をじっと睨みつけるAはいつもと変わらず愛想が良いとは思えない。

まぁこれはいつも通りなわけだが。


「ちょっとなに？ジロジロ見て」


さっきザキに見せてた締まりのない笑顔なんか
俺には見せた事ない癖に。

長い付き合いだが、あんなふやけきった顔俺は見た事がねぇ。

それがなんかすげぇ悔しくて

部屋に連れてきて頬をいじったりしたが

こいつの機嫌は悪くなる一方で



「あ〜〜、面白くねぇ」



俺がそういうとAは「人の顔散々見てそれ？」とまた不機嫌そうに俺を見た。

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