血塗れ少女はドSに好かれる【沖田総悟】

邪魔 ページ31

刀がぶつかり合う音がする。

「大丈夫ですか...！起きて...」

近くでドラッグを吸って眠りについていた人たちを
起こす、が

その人たちは、ゴロンと首が座っていない状態で
焦点が定まらない状態でこちらを見る人ばかりだった。

数名の意識がはっきりしている人たちは
隊士が誘導し、避難してもらえたが、

ほとんどはもう手遅れの状態だった。


「その人たちは特に重度の中毒者でね。
会社をリストラされただとか、
家族に除け者にされるだとか、
恋人に逃げられただとか、

理由はそれぞれだけど。

もうどうしようもありませんよ」


男がそう言う。
私は歯をぐっと食いしばって
その人たちを端に移動させた。


「少し、ここで待っててください」


そう言って、近くの隊士に倒れている人達のことを頼む。


その隙に男は何名か護衛を連れて背を向けて逃げた。


「あっ！まて...！逃げんな！！」


すると私の目の前にガタイの大きな人が立ちはだかった。

「邪魔」


そいつを斬り、倒れた所をまだ息があったので刺すと


「A！！！！」

土方さんの声が聞こえた。
ハッと振り返った時には、別の男が私の刀を向けていて刀をもってそちらを向うとすると、



「お前......」


ニヤッと私に刺されていた男は刀を握って笑った。


そいつの顔面に蹴りを入れ、刀を抜いたが、



「あ、やば...」



構えるのに間に合わず、ギュッと目を瞑った。




「おい。起きろ何立ったまま寝てんでィ」



私の目の前には返り血を浴びた沖田が立っており、
私のことを少し高い目線から見下ろした。


「そんなへなちょこ、俺の隊にいた記憶はねぇけど」


「ちょっとしくっただけだよ...」


「だろうねィ」



沖田はそう言うと、ぺろりと舌舐めずりをして
周りにいた敵を蹴散らした。



「そんな事してる内に、あのクソに逃げられてる。
道なら切り開いてやるからとっ捕まえろ。

ガキの頃からすばしっこい
お前の足ならできんだろ」



そう言って顎でクイッと私の足を示した。









**

@no side





「ははは...！あいつらを雇っておいてよかった...！」



男はぜぇぜぇ言いながら護衛をつけて走った。


「お前たちには特別手当てを出してやらないとな！
最後まで俺を守り抜くんだぞ！」


そう後ろの護衛に話かけた。




「さっきからそれ、誰に話してんの」



男が振り返った先には
護衛などおらず、血に塗れた男の体を
髪を引っ張りながら持ち上げて
にやりと笑うAがいた。

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