ポックリ89 ページ39
血塗られた裏社会の中、異能力を持たず
生まれ持った超人的な記憶力と今日迄の努力だけで
二十代と言う若さ乍ら幹部補佐にまで上り詰めた
甘崎愛唯
彼女は元々ポートマフィアのフロント企業で働く一般の社員だった
その企業の上層部に彼女の親戚が居り
彼女は最初から闇の一部である自覚を持って働いていた
浦『お前何でそんなに知ってるんだよ』
枯『特務課舐めてんじゃねぇぞ』
浦『へいへい』
罪悪感は多少残るが、一般社員として普通の穏やかな生活を送っていた
そんな彼女が何故裏側に来る事になったのか
ある日何の前触れも無く、彼女の元に辞令が来た
其れはポートマフィア本部への異動を命じる物だった
浦『いや唐突?!』
枯『唐突じゃない辞令とか無いと思うぞ?』
浦『そうだけどそんなにぶっ飛ぶ事ってある?!』
枯『其れがぶっ飛ぶんだよなぁ…何せ___首領直々の辞令だったから』
浦『えっ、首領直々…とかあるの?』
枯『うん、上層部にいた彼女の親戚が彼女の事を森さんに売ったみたい
で、運悪く森さんの審美眼に引っかかってしまったと』
運悪くって…確かに運悪いな
彼女を売ったらかなりの損害だと思うんだけどなぁ
枯『その後、彼女は中級構成員の事務員として働いてたわけだが…
どうやら此処で働いているうちに中也さんを見かけて一目惚れしたらしい』
浦『えっ、一目惚れ?!あの甘崎さんが?!』
彼女ならもっと慎重にゆっくりと相手のことを理解した上で…って言うタイプに見えるけど
一目惚れかぁ…やっぱり女子だなぁ…
浦『まぁ組織の中じゃ中也さんは女子構成員のアイドル的存在だからね』
枯『その後更に中也さんの性格やらイケメン度やらを知った彼女は
少しでもお近付きをと努力をした結果…』
浦『幹部補佐にまでなった…
凄いお近付きだな距離縮まるの速すぎ』
お近付きと言うか最早告る勢いだよ其れ
めっちゃ好きじゃん、中也さんの事
枯『と言うわけで…鳴子、甘崎さんに何か言われた?』
浦『うん、まぁ…一年くらい前に「貴女も、ですか…」って意味ありげに言われた
よく分かんないから今日までずっと放置し続けてたんだけど、もしかして』
枯『もしかせずとも明白だな、相手はお前を恋敵として見ている
その「貴女も、ですか…」と言うのは彼女なりの「宣戦布告」だろうよ』
其れを聞いて鳴子は嘆いた
浦『一体私が何したって言うんだよ…』
35人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:chizomeと818猫とプチネコと茶々と___。 | 作成日時:2019年6月9日 12時