ポックリ80 ページ30
国「ったく何なんだ彼奴は…」
一『まぁまぁ…』
苦笑いしながら国木田を宥める茶那
先程敦が断りも無く仕事を放棄して行った事が頭に来ているらしい
一『きっと敦も直ぐに帰って…』
その時、茶那は妙な気配を感じ取った
探偵社で働くようになってから、この階層に予め異能力で虎を一体配置しておいたのだ
誰かがここに来たのを逸早く分かるように
一『国木田さん、今日って依頼人のアポ入ってましたっけ…?』
国「否、今日は入っていない筈だが…」
その時、背後で大きな破壊音が響いた
木製のドアが壊される音だ
それに続いて複数人の足音、銃器を構える音…
振り向くとポートマフィアの構成員と思しき連中が銃口をこちらに向けていた
探偵社員は皆険しい表情になる
ただ乱歩さんだけが動揺する事なく何時もと変わらずラムネを飲んでいた
国「貴様達は…」
広「失礼、探偵社なのにアポイントメントを忘れていたな…それから、ノックも」
黒蜥蜴百人長広津柳浪が答える
国「ポートマフィアの…黒蜥蜴!」
広「まぁ、大目に見てくれ…用事は直ぐに済む」
広津が合図すると、黒服達が戦闘態勢入る
探偵社員は皆一歩退き、これから襲い掛かる銃弾の雨に備えた
________
探偵社とは反対方向にとぼとぼと歩き続ける敦
突然、遠くから鳴り響くその音に彼は驚いて振り返った
敦「銃声…しかもこの方向は!」
驚いて固まっている間にも音は鳴り続ける
人々の騒めく声に混ざって遂に硝子の破砕音が響いた
通行人が不安そうな表情で見つめる先は、煉瓦の建物の四階の窓
敦「何故、探偵社が!!」
考える間も無く走り出す
息を切らしながらビルの前まで辿り着く
中に入って荷物を床に放り投げた
一刻も早く探偵社へ__!
疲労を無視して階段を駆け上がる
何故こんな事に?また、僕のせいで…
皆が!!
廊下の先、ドアの無い部屋から聞こえてくる音が更に不安を煽る
敦「やめろ____!!!!」
次の瞬間に目に飛び込んで来たのは
広「っ、何?!」
宙を舞う見知らぬ男性の体が地面に叩き付けられている光景だった
敦が驚きを隠しきれずに小さく「えっ、」と声を上げる
社内を見渡すと大勢の黒服の人間が各所で山積みにされており
完全に戦意を喪失していた
優れた身体能力、軽い身のこなし、相手の行動予測
各々が自分の武器を使い熟し、敵を蹴散らしている姿がそこにはあった
…は?
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作者名:chizomeと818猫とプチネコと茶々と___。 | 作成日時:2019年6月9日 12時