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TALE4 ページ4

___擂鉢街___





『おぉ〜』




何度見ても声が出る

その名の通り、擂鉢状に窪んだ土地

そこに沢山のトタン屋根の家が立ち並んでいる

日陰の住宅街って所だ



その時不意に、耳元でざわざわと音がした

フードの中に隠れているフラウィが出てきたのだ




フ「うっわ、何ここ?」



フラウィが俄かに顔を顰めた




『擂鉢街。知らない?』

フ「知らないね」


『此処は噂じゃ十五年前、何かの研究施設があったんだって

そこで大規模な爆発があって、直径約二粁範囲のものぜーんぶぶっ飛ばしたんだと』



ある人から教えて貰った話を要約して話す



フ「いきなり怖ぇよ。そんな法螺話、誰が教えたんだよ・・・」

『七年前に此処で抗争があってさ、気になって見にきたらそこに居たお兄さんが教えてくれた』

フ「抗争・・・」



フラウィは呆れ顔をして居た

バカだね。という顔だ




『それにこれは実話だよ。昔の新聞にも載ってる』

フ「じゃあそのお兄さんとやらも此処にいるかもな」


『うん・・・こんな血の気の多い街で抗争やってるぐらいだから

そこらへんに・・・』




そこらへんにいるかもな


そう言いかけた時だ

後ろにニンゲンの気配を感じた

フラウィもそれに気付いてフードの中に戻っていった



?「おい」



後ろのニンゲンの低い声が僕に向かって投げ掛けられた

どうやら男性のようだ

僕はゆっくり振り返った




?「・・・手前、ここいらの日陰者じゃねぇな?

何故此処にいる、答えろ」



妙な威圧感を覚えた

ニンゲン特有の、相手を警戒する時の威圧感だ



『少し、散歩を・・・』

?「散歩、ねェ・・・」




相手は自分よりほんの少し高い

頭からつま先までほぼ真っ黒で、頭には黒帽子を被っている

帽子の鍔の影からこちらを伺う蒼い目と肩まで伸びた赭色の髪には…見覚えがあった




『…あ!あの時のお兄さんだ!』

?「あ"?…あぁ、抗争のど真ん中にいた莫迦か…!」

『莫迦て…』



耳元で笑い声が聞こえたので、耳を弄るフリをして奴の首(茎)を締めた



?「これも何かの縁かもな。手前、名前は」

『Aです』

中也「俺は中原中也だ宜しくな」

『はい中也さん』



早速名前を呼ばせてもらうと中也さんは少し驚いた

嫌だっただろうか?



中也「いきなり名前呼びなんだな」

『あ、駄目ですか』

中也「いや、その方が気楽で良い」



そう言って中也さんはふわっと笑った

かっけぇ・・・

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すー、 - 文スト×アンテ!?発想の天才か… (2021年11月24日 16時) (レス) id: afa1133b59 (このIDを非表示/違反報告)
血烏累音(プロフ) - ハロさん» ありがとうございます! (2019年10月5日 12時) (レス) id: e3a4ad10df (このIDを非表示/違反報告)
血烏累音(プロフ) - ハロさん» 神作品なんて初めて言われました (2019年10月5日 12時) (レス) id: e3a4ad10df (このIDを非表示/違反報告)
ハロ(プロフ) - 久しぶりにアンダーテールの神作品を見た!!面白いです、頑張ってください!! (2019年10月4日 23時) (レス) id: d9c85b7b29 (このIDを非表示/違反報告)
血烏累音(プロフ) - 腐った草さん» ありがとうございます!!!丁度コメント欄が寂しかったんですよ・・・! (2019年8月19日 12時) (レス) id: 128ab8f1ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chizomeと___。 | 作成日時:2019年8月9日 19時

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