今君は何を想っていますか？【ワイテルズ】

8話 ページ10

Nakamu side

きんときが目を覚ました。
良かった...

「とりあえずこれ食べて」

差し出したのはさっき作ったばかりのお粥。
冷ましながらお粥を口にしたきんとき。
少しはにかみながら

「美味しい...ありがとう」

喜んでもらえたようで良かった。

「体調はどう？」
「まだ頭が痛いな」

そう答えたきんときの顔色はあまり良くなかった。
もう6時になる。また明日学校があるし早く帰ろう。

「きんとき。もう帰るね！何かあったらすぐ連絡してね。...話の続きは明日にしよう」
「ああ、そうだな。
...Nakamu」
「ん？どうした？」

「ありがとな」

俺はどういたしまして！お邪魔しました〜と言いきんときの家を出た。

「ﾊﾊｯ...」

俺の乾いた笑いが誰も居ない路地に消える。
偶然目に入ってしまった机の上のメモー

『俺は誰からも必要とされてない。
　要らない子、生まれてこなくてよかった子だったんだ。
　
　やっとこの世界から"さよなら"できる...

　唯一友達になってくれたNakamu...本当にありがとう。
　来世にはお互い幸せになれると良いな。
　まぁNakamuはもう幸せかもしれないけど、


　じゃあまた来世で逢いましょうー 』
　

「来世なんて言わないでよっ...！」



俺は何回彼を不幸させてしまうんだろう。

そんな答えの無い質問を暗くなった空に投げかけた。



　
　

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