漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ10)

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Episode15-1 ページ10

私は夢を見た。その夢は遠い昔の記憶と瓜二つだった…
そう、その夢は死神化してから数日後のこと。
「相変わらずね、琉奈」
瞬歩で成宮さくらがやって来た。藤宮琉奈の付き添いで現世にやって来たという。
「これくらいは出来ないと駄目だしね、才能があるって言ってたじゃん！」
(そう…だね……)
ため息をつきながら成宮さくらは死神から人間へと姿を元に戻した。どうやら、虚の気配はなかったと言いたかったのだろう。
「やっぱり似合わないんだよね…白って！」
店のウィンドウに身体を向けて髪ゴムを見ていた。黒髪には合わないと思っていたのだ。
「ちょっと見てくるー！」

「…琉奈っ！」

成宮さくらは追いかけようとしたが、人混みで良く見えなかった。良く見てみると、既に藤宮琉奈の姿がなかった。
「何処に行ったのよ…！」
成宮さくらは藤宮琉奈を追いかけて人混みの中へ…

米花町・大通り。
「取引の時間までまだありますが…何処へ行くんですか？」
高額な取引までの時間まで余裕だった。それまでの間、無駄に過ごしたくないのかジンは車から降りる。
「…ついていくか？」
車のドアを閉めて、ウォッカに聞いた。どうやらウォッカも行く気で、共に行動することに。
「何処に行くんですか、兄貴」
煙草を吸いながら、怪しげな笑みを浮かべた。

その頃の藤宮琉奈は米花町の店を見ていた。新たな髪ゴムを探しているが、他の店も見ていた。
(誰かに見られていたような……)
何者かの気配を察して辺りを警戒を始めた。見られていることを思うと、心配になってきていた。
「さくらちゃんと一緒にいたけど……そっか、私が勝手に…」
考えながら歩いていくと誰かとぶつかった。長い銀髪の男性と黒いサングラスをかけた男性だった。
慌てて怪我がないか聞いてみるが、睨まれてしまい私は冷や汗をかいた。
(……！！)
口を防がれてしまい、睡眠薬が忍ばせているのか私の意識がそこで途絶えた。
「場所が悪い、ウォッカ場所を移すぞ」
藤宮琉奈を抱えながら、別の場所へと移す。

30分後。
ようやく目が覚め、とある場所へと移されていた。
(こ、ここは………)
良く分からない状況でパニックになってしまった。
「私をどうするってのよ？」
浚った二人は見下していた。この状況から抜け出したいが、そう簡単にはいかない。
「もう、調べはついている。意味は分かるな？」
(えっ…どういう訳で……？！)
私には全く分からなかった。急に言われからだ。
「発信器と盗聴器をつけさせて貰った」
そのことを聞かされた私は驚くしかなかった