漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ22)

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Episode12-2 ページ22

その頃の江戸川コナンと灰原哀の藤宮琉奈を探していた。従業員に聞いてみるが、なかなか情報は得られなかった。
「あっ、そこのボウヤ」
ある従業員に声を掛けられて、江戸川駅はとっさに駆け付けた。灰原哀も江戸川コナンを追いとある店へ。
「この人を探してるって聞いたんだけど……」
売店がある店員にはその情報が流れていた。藤宮琉奈を知っている店員は知っている限り藤宮琉奈について話した。
「これ、藤宮琉奈に渡してくれないかな？3年前、ここの水族園に来ていてさ…その忘れものだったんだ。忘れものなんだけど……」
店員は机の下にある物を置くスペースからあるものを渡した。江戸川コナンはそれを受け取ってお礼を言った。
「ありがとう、店員さん！」
江戸川コナンは走って受け取ったものを見ていた。三日月と星が描かれているストラップだった。
「コナン君、何処にいってたの？探したんだから！」
そこへ毛利蘭が駆けつけてきた。鈴木園子と一緒で、二人は見つかったことにホッと一息ついた。
「蘭姉ちゃん、僕トイレ行ってくるから。あ、イルカショーに間に合うように来るから！」
そう言って江戸川コナンは藤宮琉奈を探すことに専念した。

「じゃあ、イルカショーまで来てよね！」

(ったく…こんな時に来るとか…イルカショーが始まるのは3時10分、後1時間弱はあるな)
時計を見て、残り時間の間に探すことに。二手に分けて探そうとしたが、灰原哀はそれを反対した。江戸川コナンはその理由が分かっていた。
「分かった…一緒に探そう」

その頃の藤宮琉奈は館内を歩いていた。視界に従業員が入り、団体で行動しているのが不思議に思った。
「まさか……じゃないよね？」
嫌な予感がした。刀剣たちだったら、ヤバいことに成りかねない。こちらに気付いていないことを確認してその場から去った。
(もしそうだったら…厄介だし…)
藤宮琉奈が思っていたことは本当だった。燭台切光忠とへし切長谷部、鶴丸国永、大倶利伽羅だった。よりによってへし切長谷部だった…
「ちょっとトイレに行ってくる」
大倶利伽羅は離れて、こちらへ向かってきた。トイレの方向に私がいることに気付かなかった。
(あっ……)
どうしようかと思ったが、大倶利伽羅はあまり気にしなかった。気にしないというか早くトイレに行きたそうだった。
「このことは……他の人には言わないでね？」
「…分かった」
大倶利伽羅はそう言ってトイレへ行ってしまった。なんという優しさと私はつい思ってしまった。