漆黒の境界線 act.Ⅰ (ページ6)

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Episode2-2 ページ6

ダダダッと足音がだんだんと近付いて来た。音が多少違う為、二人だろう。
(刑事じゃない！ヤバい……！)
私はとっさに猛ダッシュで逃げた。それを見たようで佐藤刑事はその先へ走って問い詰める作戦に出た。
「動かないで！」
チャキと銃を構える姿がある人に見えてしまう。
(……！！)
柵に手を掛けて飛び降りる。見事着地し、運良く青信号の為すぐに走ることが出来た。
「逃がしちゃったか……」
銃をしまって立ち尽くしている佐藤美和子に高木刑事がやって来た。
「どうします？追いますか？」
「言われなくても追うわ」と言い、車に乗り込もうとした二人を江戸川コナンが止めた。
「何があったの？教えてよ」
高木渉と佐藤美和子は顔を見合わせた。そして、江戸川コナンと灰原哀にそのことを話した。
「その人が……？！」
灰原哀は思わず声を出してしまった。その人から聞き込みをするつもりで追いかけていることも話す。
「高木刑事、その人の名前を教えてくれない？」
手帳を開いて、中間のページで手が止まった。そこに書いてあるだろう。
「えっと……藤宮琉奈だよ」
江戸川コナンはあることが引っ掛かった。灰原哀も同じことを思っているようで、お互い通じあっていた。
「ありがとう、刑事さん」
お礼を言われて戸惑ってしまった。
「う、うん……？」
疑問系になってしまったが、気を取り直して女性を追うことを続ける。

「工藤君、もしかして……」
江戸川コナンのことを“工藤くん”と呼んでいる。そうでもない時もあるのだが。
「あぁ、何故……」
名前を聞いた時、何故言わなかったのかと思っていた。考えているうちに何故か心の中で嫌な予感がしていた。
(なんだ、この予感は………)

「主を探しましょうよ。心配です！」
今剣が声を掛けるも、他の刀剣男子たちは聞き耳を立てる様子がない。
「心配だけど…そう上手く男審神者に言えないだろう」
三日月宗近が言うと、しょんぼりして今剣は去っていった。
(主…一体何処へ……)
その話を聞いていた燭台切光忠はスッと姿を消した。

「やっぱり、心配してんじゃねぇか」

大倶利伽羅は馬当番を終えてやって来た。その為、服は多少汚れている。
「倶利ちゃん！」
「その言い方は止めろって言った筈だ」
鶴丸国永にも言われている呼び名でうんざりしているのだ。
「どうするんだ、光忠」
(…………)

その日の夜。
「待ってて、主」
夜の本丸外に燭台切光忠の姿があった。コツコツと足音が聞こえてきてくる。振り返った先に大倶利伽羅がいた。