君といた“冬”は【まふまふ】

冬の始まり……５ ページ5

「真冬さん……まふまふさんが、他の歌い手さんの顔をネットにあげたって、嘘ですよね？」


「うん……そんなこと、してない。した覚えもないです。
なんで僕が、って考えました。

それを考えたら。
前そらるさんに助けてもらって、仕事も増えて、辛い毎日も楽しくて……そんな風に浮かれてたからなのかなって思いました。

だから神様が罰を下したんです……。お前の人生は楽しくちゃダメだ、って」



笑いながらそう言うと、彼女は「何を言ってるんですか」と怒ったように口を開いた。



「神様はそんなことで罰は下しませんよ！
真冬さんは何も悪いことしていないじゃないですか。

そらるさんや、天月さん、うらたぬきさん、あほの坂田さん、luzさん。
その他にもたくさんの人が助けてくれたんでしょう？
それは運命ですよ。真冬さんが生きるための。

今回のは違うんです。運命じゃない。

私はそう思います」



あぁ、そうだったんだ。

僕はこれで良かったのかな。

でも……


「誰も、僕のことを信じてくれませんでした。
いや、正確には違うかもしれません。

僕が違う、って訴えたら、ほとんどの人が信じてくれませんでした。
歌い手の皆も、いつも僕の歌を聞いてくれた人も、青い鳥にもリプしてくれた人も。
そらるさんたちは……何も」


「何も、というと？」


「ただ、崩れていく僕を見ていました。何も喋りませんでした。
僕を疑ったり、批判したりはしませんでした。でも……

きっと、そらるさんたちも、僕のことを信じてはいないんですよ。
誰も、僕を信じない。
だから、僕は決めたんです。誰も信じない、信じれない、って。
……さっきまでは」




そう言うと、彼女は初めて酷く顔を歪めた。

そして、今にも泣きそうな顔で、語り始める。

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