雛鳥の足跡…11こ ページ12
わんわん泣き叫ぶ声に周りにいたクルーが何だと集まってくるが、唇に指を当てしーっというポーズを取れば、みな大人しくなる。
あっちへ行ってろと手で追い払えば、わらわらとみな散っていった。
知らない世界で、誰一人知る者がいない世界で、愛した者が殺された現実を受け止め生きていくのは辛いだろう。
泣き止まぬAを持ち上げ、胡座をかいた脚の上へ横抱きにする。
赤子をあやす様にとんとん叩きゆらゆらと揺れれば、胸元へ縋りついてきた。
ナースのような迫力美人とはまた違って、可愛いものがあるねぃ…なんて思う。
しばらくすれば嗚咽も、啜り泣く声も消え、腕に重みが増す。
寝たか…、と抱えて立ち上がれば、ちょうど白ひげが部屋から姿を現した。
｢上手くあやせたか｣
｢わかってたんなら、親父が言ってくれればよかったろい｣
｢おめェがその小娘に助けてもらったんだ。おめェが助けてやらんでどうする｣
おめェが面倒見やがれと、甲板の椅子へドカりと座り、豪快に笑った。
それに何も言えずマルコはグッと喉を詰まらす。
とりあえず、Aを戻してくるよいと船医室へと向かった。
船医室へとたどり着きAの顔をみたナースたちが、なんてこと！マルコ隊長最低です！とバタバタと動き回り、なぜかマルコが怒られる。
理不尽だ…と思いつつその場を後にした。
ふと、夜中に目が覚めた。
失態を犯したな…と、項垂れる。
騎士が感情を剥き出しに取り乱すなど、なんて事だと思う。
ぼーっとしていれば、そんなことはどうでもいいと言うように腹の虫が鳴く。
正直な奴めと、Aはお腹を摩った。
カーテンを少し捲って顔を覗かせれば、夜勤のナースは眠りこけていた。
起こすのは可哀想…。
でも、お腹がすいてしまってこのまま眠れそうにもない。
足の痛みはもう無いし少しなら大丈夫だろうと、深く傷付いていた脚の方を庇いながらひょこひょこ歩き、そっと静かに食堂へと向かった。
食堂へ顔を出せば、仕込み当番のコックが何名かいた。
どうしたの！？と驚かれたが、お腹が空いてしまったと言えば待っててと笑ってくれる。
端の方で座って待ってれば、夜遅いから少しだけなと、軽食を持ってきてくれた。
出来たての温かいご飯に、心安らいだ。
食べ終わりぼーっとしていれば、うとうとと睡魔が襲ってくる。
戻るのも億劫で、少しだけ…とその場で眠りについてしまった。
雛鳥の足跡…12こ→←※ここまでお読み頂きありがとうございます※
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
