雛鳥の足跡…12こ ページ13
明け方、早くに目が覚めたマルコはバタバタと少し騒がしい事に気づく。
ドアを開ければ走り回る一人のナースと出くわした。
｢何事だよい｣
｢っAが、あの子がいなくなっちゃったんです！｣
夜勤の子が寝こけてて、気づけば…と、ナースは言った。
なんてこったとマルコは額に手を当て、おれも探すと船を捜索し始めた。
愛した者たちと一緒に死にたかったと泣いた彼女。
まさかな…と欄干に手を付き海を眺めたが、いいや違うなと頭を振る。
生きていくべきだと伝えた時の彼女は、瞳に光を失ってなかった。
そんなことはしないだろうと、またマルコは足を動かした。
そいつは案外早く見つかった。
食堂の隅のテーブルに突っ伏し、眠っている。
ハァと大きな溜め息をついたマルコに、仕込みをしていたコックたちはビクリと方を跳ね上げた。
｢こいつは何でここに来た？｣
｢夜中に、お腹が空いたって…｣
ガクりと、マルコは項垂れる。
まぁ何事もなくてよかったと向かいの席に座り、頬杖をついてAを見つめた。
しばらくすれば、うっと呻いて顔が持ち上がり目が合えば、ヒッと悲鳴が上がる。
解せない…。
戻るよいとAを抱えあげ、食堂を後にする。
｢腹が減ったなら、ナースに言えばよかったろ｣
｢…よく眠ってらして、起こしてしまうのが可哀想だったので…｣
勤務中には寝る奴があるか、叩き起こせとマルコは言う。
お前がいなくなってナースたちが必死で探してたと聞き、Aはすみませんと小さくなるしかなかった。
｢あんなとこで寝ないで、戻って寝ろよい｣
｢戻るのが億劫になってしまって…｣
そう言えば、ハァと溜め息をつく。
それに、歩行はまだ許可されてないはずだったろと問えば、さらにすいませんと身を縮こまらせた。
船医室に戻れば、夜勤をしていたナースがよかったとAに泣きついた。
ナースのトップの婦長には、ナース共々Aもこってりと絞られる。
怒られるなど、幼い頃剣術など鍛えてもらっていた師、以来だ。
こんな歳になって怒られるなんて…とAは羞恥で手で顔を覆った。
｢今日から歩行の許可を出そうと思ったけど、あと三日延ばします｣
そんな罰を与えられ、ショックでAは項垂れた。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
