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｢あれ、ばぁちゃんまだ起きてるの？｣
｢あらペンギンちゃん。今日はちょっと仕込みに時間掛かっちゃってねぇ｣
ペンギンちゃんもこんな時間にどうしたのとばあばが問えば、ちょっと本を読んで夜更かししてて喉が渇いたという。
｢お腹は空いてないかい？｣
｢実はお腹も空いてる｣
そうかい、なら待ってなとばあばはガサガサと冷蔵庫を漁る。
冷ご飯を弱火でじっくり温めている間に、冷凍していたササミを茹でて解凍させ、ササミに火が通れば温めていた冷ご飯を強火にしてお焦げを付ける。
丼にお焦げご飯を盛り付けその上にササミを乗せ、ストックしていた出汁を温めて注ぎネキを散らせば、簡易な鶏出汁茶漬けの完成だ。
｢ん〜美味っ！やっぱばぁちゃんの作るものは最高だな｣
｢そうかい｣
ニコニコしながらモグモグと頬張る姿を見て、ばあばもニコニコだった。
｢ばあさん、ちょっといいか？｣
｢はいはいローちゃん。なんだい｣
こういった薬を作ってみようと思うがどう思う？とローがばあばに相談する。
どういった配合で考えてる？と言うばあばにローは色々と書き込んだ紙を見せ、説明していく。
｢ふむ、ならそれはこっちの薬草の方が相性がいい｣
量の比率は…と、ローに教えこんでいくばあばの姿はまるで先生。
実はばあば、薬草学にとても長けているのだ。
それを惜しみなく、ローへと伝授していた。
長時間話し込んで凝り固まったばあばの身体を、ローが解していく。
やっぱりローちゃんのマッサージが一番効くねぇと言うばあばに、ローはふっと笑って嬉しそうだった。
｢キャッ！｣
｢｢イッカク！！｣｣
ただいま敵船と交戦中。
足を取られてイッカクが倒れ込んでしまった。
油断したと嘆き迫り来る刃にギュッと目を瞑る。
が、痛みはやってこず、目を開けるとそこには…
｢おばあちゃんっ！｣
イッカクの目の前には、片手で刃物を掴んだばあばが立っていた。
｢うちの可愛い子に何してくれてんだい？｣
ズンッと空気が重たくなった。
掴んでいた刃をポキリと折り、その尋常じゃないばあばの力に、敵は慄く。
グッと中指と親指で輪を作り、それで敵の額を弾けば、相手は欄干の外へと吹っ飛んでいった。
｢｢｢さすがばあば！！｣｣｣
ばあばの強さに、ハートのクルーたちはワッと湧く。
油断するんじゃないよとばあばに言われ、アイアイ！とみんなはチャキっと武器を構えた。
ばあばの戦闘スタイルは素手。
合気道が得意で、覇気も使えちゃうぞ。
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年11月23日 2時
