Ｃ家の鬼畜医者 (ページ7)

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その6 ページ7

2人の戦いは半日以上続いた。

カタクリとの戦いはAにとって相性が悪すぎた。

鍛えすぎた見聞色の覇気で避け切っているとは分からないA、攻撃や拘束しようとしても全てモチが流れる様に避けられてしまう。

貴『せめて"触れる"事さえ出来れば奥の手があるんだけどなぁ・・・。』

カ「中々いい動きになってきたな。それにお前、楽しんでいるだろう。」

貴「っ！！」

貴『しまった。悪い癖だ久々の強敵にアドレナリンが止まらない。殺される状況なのにそれに対して興奮している。』

カ「患者の仇討ちのつもりじゃなかったのか？仕方の無い女だ。」

貴「はっ！！言ってくれるな！！」

カ「しかしそろそろ決着を着けさせてもらうぞ。そろそろ帰り始めないとママが怒る。それにおれのメリエンダの時間が過ぎている。」

貴「は？何言って・・・。」

瞬間カタクリの目からバチッと黒い火花の様なものが飛び散りまともに目を合わせた途端意識が途切れかけた。

貴『っ！？なんだこれ！？覇気か！？やばっ・・・意識が・・・！！』

ふらりとよろけた所をカタクリは逃さなかった。

カ「流れモチ！！！」

足元の地面が一気にモチとなりAを襲う。そしてそのまま首から上以外全て拘束されてしまった。

貴『あっ、死んだわ。これ。』

いつか自分に訪れるであろう死を自分でもびっくりするくらい冷静に受け止めていた。

がーー。

カ「さて。」

《ヒョイッ》

そのままカタクリに担がれた。

貴『んん？あれ？なんか船に運ばれてんだけど。いや、今殺さない感じですか？』

貴「あのー。私、どこに連れてかれるんですか？」

カ「ママの所だ。」

貴「えぇー・・・。四皇に直接殺されんのかぁ・・・。短い旅だったなぁ。」

カ「お前が変な気を起こさなければ殺さないぞ。」

貴「はっ？」

カ「言っただろう。女1人にやられるような傘下などどうでもいいと。欲しいのはそれを超える強さだ。それに医者だというならより都合がいい。」

貴「つまり四皇のとこの戦力と医者になれと・・・？」

カ「そうだな。」

貴『絶対逃げよう。』

カ「言っておくが逃げようなどという考えは捨てることだ。船ではおれが見張るし国に入れば巨大な兵力からは決して逃げられない。」

貴「そうですか・・・。」

貴『とりあえず黙って従うフリしてれば隙でも出来るだろ・・・。』

などという考えはやはり浅はかだった事を後に嫌という程痛感するのだった。

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