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今日は私の五歳の誕生日である。
朝起きると、何やらドタバタと慌ただしい音が聞こえた。泥棒でも入ったのかと思ったが、この家には元死喰い人が全力を込めて作り上げた防衛システムがある。侵入したが最後、即刻アバダケダブラ……、という程酷くはないが、しかし危険なトラップが作動する。
ならば、今家にいるのは無条件でここに来る許可をもらっているナルシッサやドラコだろう。はて、何の用事かと思ったがすぐに分かった。私のサプライズパーティーの準備だろう。去年のこの日も、こんなドタバタ音と共に目覚めた。そして起きてリビングの扉を開くと同時に一気にクラッカーが鳴り響き、眠気がぶっ飛んだのだ。びっくりして思わず魔力を暴走させかけてしまった。この体に宿る魔法力はとても大きいのだ。
既にサプライズでは無くなってしまっているが、どうせだし付き合ってやろう。それに、誕生日パーティーを開いてもらうというのは単純に嬉しい。義兄にほったらかしにされている私は特に。
適当な服に着替え、リビングまで歩いていく。扉に手を掛け、深呼吸。そしてバッと一気に開いた。____途端、すさまじく破裂音が鼓膜を刺激した。
「「A、誕生日おめでとう！」」
見れば、そこにはナルシッサとドラコが使用済みクラッカーを持って立っていた。
「A、おはよう！どうどう？サプライズ成功？」
「成功に決まってるわ！こんなに呆然としているもの！」
いや、呆然とはしていない。ただ破裂音にびっくりして固まっているだけだ。二回目だから覚悟はできていたが、それでも驚くものは驚く。
「さぁA、こっちに来て！腕によりを掛けてご飯を作ったのよ！」
未だクラッカーのショックが抜け切らない私をナルシッサが誘導する。その先のテーブルにはご馳走の数々。嬉しい。嬉しいが、朝からだとちょっと重い。あと量がヤバい。ナルシッサはちょっとおっちょこちょいなところがあるのだ。
が、結局クラッカーも、ご馳走も、私にとっては大事ではない。大事なのは、私のためにこんなに朝早くから誕生日を祝ってくれる人がいるという事。
思わず涙ぐみそうになった私は、それでも感謝の念を目一杯込めて笑顔を作り、ありがとう、と言った。
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ファウスト(プロフ) - 待ってました！！！更新ありがとうございます！！ (2019年3月21日 12時) (
レス) id: 2967d5163e (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - すごく面白いです！更新頑張って下さい。応援してます！ (2018年12月30日 8時) (レス) id: f0e41eea19 (このIDを非表示/違反報告)
美央(プロフ) - 最高に面白いです！更新、頑張ってください！ (2018年12月28日 7時) (レス) id: 18377afcbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燃え尽きふぉっくす。 | 作成日時：2018年12月22日 23時
