#21 ページ22
そんなこんなで、私のホグワーツでの授業が始まった。
私はホグワーツに来るまで本格的に魔法を使った事はない。箒に乗る事は魔法の一種かも知れないが、杖を振ってビューン、ヒョイなんてしたことがなかった。ホグワーツでゆっくり学べばいいと思っていたからだ。
だから、私は自分が魔法に関して天才的な才能を持っていることを全く知らなかった。
変身術の授業でのこと。私は配られたマッチ棒に杖を向け、針をぼんやりとイメージしながら杖を振った。ただそれだけだったのだ、が。
マッチ棒は銀色どころか金色になり、細々とした蛇の装飾がなされた素晴らしく美しい針に変わった。蛇の目の部分には、小さな小さなエメラルドが嵌っていた。しかも、私の杖はそれだけでは飽き足らず、机をも大理石の立派なものに変えてしまった。誰がそこまでしろと言った。私の杖よ。
呆然とする私のもとに、珍しく慌てた様子のマクゴナガル先生がやって来た。先生はひとしきり目を丸くすると、私の手を取って微笑み、大喜びでスリザリンに5点も加点してくれたのだ。グリフィンドール贔屓のマクゴナガル先生が、だ。
私の天才っぷりはそれだけに留まらなかった。妖精の魔法の授業中、みんな大好きウィンガーディアムレヴィオーサをやろうとした途端、呪文を唱えていないにも関わず、少し杖を振っただけで羽はふわりと浮き上がった。いやまて無言呪文を習得した覚えはない。まさか無意識に無言呪文を行使したのか私は！？
混乱する私を、フリットウィック先生はこれでもかと誉め称え、スリザリンに10点加えてくれた。以来、私は「スリザリンの異端児」と呼ばれることになる。多分このあだ名は二重の意味なのだろう。スリザリンのはみ出し者であるという事と、スリザリンでも抜きんでた天災であるということ。
目立たないモブ生活を送る筈が、益々目立ってしまっている。スリザリンの得点を稼ぎまくっているせいで他の寮からは睨まれ、嫉妬の念からスリザリンの子達からはハブられる。ドラコも談話室での会話以来近づいて来ない。現在はハリーにつっかかるのがマイブームだそうな。それは全然構わないが。
私は溜め息を吐きながら、キリキリと痛む胃を押さえた。
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ファウスト(プロフ) - 待ってました！！！更新ありがとうございます！！ (2019年3月21日 12時) (
レス) id: 2967d5163e (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - すごく面白いです！更新頑張って下さい。応援してます！ (2018年12月30日 8時) (レス) id: f0e41eea19 (このIDを非表示/違反報告)
美央(プロフ) - 最高に面白いです！更新、頑張ってください！ (2018年12月28日 7時) (レス) id: 18377afcbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燃え尽きふぉっくす。 | 作成日時：2018年12月22日 23時
