#18 ページ19
レイブンクローを希望するどころか、帽子と話をする暇すらなかった。どうしてこうなった。やり直せるならやり直したいが、生憎とこれは一回きりのチャンスである。致し方なく、私はすごすごとスリザリンのテーブルに座った。むろんドラコから離れた位置に。
その後も組分けは続く。最後のザビニ'ブレーズがスリザリンに決まり、マクゴナガル先生は帽子を片付けた。
ダンブルドア校長の挨拶が終わると、空だった皿には豪勢な料理が現れた。ああ、これを食べられるだけでもホグワーツに来た価値があったと言うものだ。スリザリンに入るというハプニングはあった、が、原作キャラクターと関わらなければいい話。……問題は、スリザリンで私が浮きまくる可能性が高いということだ。
これからの生活に憂いを抱えながらも、私は料理に手を伸ばした。ローストビーフを一枚口に運ぶ。……うん、素晴らしい。私は満足げに笑う。ナルシッサの料理にも負けず劣らずだ。
「ねえ、あなたってもしかして、セブルス'スネイプの娘？」
不意に掛けられた質問に吹きそうになった。慌てて料理を飲み込むと、話掛けてきた少女を見た。可愛らしい女の子だ。私とは間逆な。
「あ、いや、娘じゃない。義理の妹だ」
「義理？ってことは他に両親がいるのね？その人達は純血？」
そら来た。こういう質問が来るからスリザリンはイヤだったのだ。ふと見ると、ドラコが心配そうにこちらを見ていた。……それを見ると、焦る気持ちがすうっと消えた。
そうだ、あの日ドラコに言ったように、私の考えを示せばいい。いじめられようがどうでもいい。私は私なのだから。決心して、口を開いた。
「いや？私の両親が誰かなんて、私が知りたいくらいだ。まあ十中八九純血じゃないだろうが、私は純血主義でもなんでもない。むしろマグル擁護派だ。今時旧時代の純血主義など、下らないだけだろう？」
私がにっこり微笑むと、少女は化け物を見るような目つきで私を見ていた。
スリザリンでのボッチ生活開始である。
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ファウスト(プロフ) - 待ってました！！！更新ありがとうございます！！ (2019年3月21日 12時) (
レス) id: 2967d5163e (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - すごく面白いです！更新頑張って下さい。応援してます！ (2018年12月30日 8時) (レス) id: f0e41eea19 (このIDを非表示/違反報告)
美央(プロフ) - 最高に面白いです！更新、頑張ってください！ (2018年12月28日 7時) (レス) id: 18377afcbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燃え尽きふぉっくす。 | 作成日時：2018年12月22日 23時
