32.恋の病 ページ35
その隣に私も起き上がって座る。
そして蔵ノ介の顔を見る。
蔵ノ介よ、なんだその顔。魂でも抜けてしまったか。めっちゃボーッとしてますやん。
貴「おーい、蔵ノ介ー、お前本当にどしたの。」
と、蔵ノ介の前で手をブンブンと振る。
何の反応もなしだけど。
それからも、声かけてみたり、時には蔵ノ介の頬をつまんで引っ張ってみたりとしてみたけど、やっぱり反応なし。
おい蔵ノ介。ここまで来ると私無視されてるのか?とか思っちゃうよ?
ほんと悲しいよ?無視とか。
蔵「なあ、A、俺昨日からなんか胸がドキドキしたりしておかしいんや。
もしかしてこれが恋っちゅうやつなんやろか。」
うわっ!急に話し出したし。
ってか話はじめがそれって何よ。
いや、まぁなんか真剣な顔してるし相談乗ってやるか。
貴「へぇー、誰によ」
そう言うと蔵ノ介は私の方を向いて真剣眼差しで発言した。
蔵「A」
貴「は?何だって?幻聴か?
もう1回。」
蔵「A」
…
…
…
一時思考停止。何を言ってやがんだこいつ。
未だに沈黙の中でもずっと私と目を合わせてるこいつってなんか勇者だね。
貴「お前、病院行くか?」
蔵「酷いやないか。俺本気で悩んでるのに
俺はAが好きなんや」
いや、なんか面と向かって言ってきたら流石の私もなんか照れるよ。
なに柄にもないこと思ってるんだか。
貴「私、好きとかまだ全然わからないし、蔵ノ介とあったばっかりで何もわからない。」
蔵「せやな、俺、急に何言ってるんやろか」
貴「おいおい、最後まで聞けっての、
まぁ、さっきまでのは今の話。これから先はどうなってるかわからないしさ。
また何年後かに言ってくれると嬉しいわ。
その時になってもしかしたら蔵ノ介のことが好きになってるかもしれんし、他の人を好きになってるかもしれん。
もっと言えば蔵ノ介はもう数年したら私のことなんか好きじゃなくなってるかもしれんしね。」
と、話し終わると蔵ノ介の顔はなぜかニッコニコの笑顔。
何があった。別に笑顔になる要素さっきの話の中にはなかっただろう。
蔵「ほんなら絶対俺のこと好きにさせる!
俺がA以外の人好きになるとかありえへん!」
なんだなんだ、どうしたんだ急に。
貴「えっと、じゃあ取り敢えず頑張って?なのか?まぁ、取り敢えず下に行こっか。」
そして下のリビングに蔵ノ介と一緒に向かう。
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作者名:モモモ | 作成日時:2018年5月17日 22時