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「30番...テレパスって、高地!?」
「アイツ脱出してんじゃん!」

目当ての彼の安全を喜ぶ束の間、先程の放送を繰り返して思い出す。...そういえば、生死を問わずと言っていた。即ち、敵側はどんな手を使ってでも高地を捕まえるつもりなのだ。

「ヤバいぞ、早く見つけないとー....」

「っ脱出者他、侵入者発見!!繰り返す。侵入者発見!」

声の聞こえた後ろを勢いよく振り向くと、1人の軍人がマイクに向かって叫んでいた。

「数は5人、礼拝堂でー...ぐぁっ!!」

北斗が咄嗟に眉間を撃ち抜くも、既にインカムを通じて状況が伝えられてしまった。みるみるうちに扉にはこちらを狙った銃口が増えていく。弾丸は慎太郎の体に吸い込まれるように放たれるが、彼に触れた弾は重力を変換して全て跳ね返っていく。撃った分だけ体に穴が開く敵を見るもキリがなく、ついに5人は動き出した。

「高地見つけたら銃で報告!!」
「わかってる、全員生きて出よう!!」

おう、と重複した声を上げて、それぞれが別のルートへと駆け出した。


...

後ろから大きな足音をたてて追ってくる軍勢を、長身を感じさせない軽やかな動きでかわしていく。同時に「高地〜!」と目当ての人物を呼ぶが、当然返事はない。

「クッソどこだよ...、『Shit!!!!!!!!!』」

振り向いて拡声器に吠えると敵はバタバタと倒れる。少し落ち着く暇ができて、速度を落とした。

ジェシーは地下へ続く扉を跨ぎ、先にあった扉を蹴破って逃げ出した。京本と慎太郎はそのまま扉を通って地下へ、樹と北斗は横の扉から出たため恐らく同じ階にいるだろう。しかし、この膨大な広さのサナトリウムで連絡なしにもう一度合流することは難しいだろう。腰にかけた煙弾銃が唯一の手段だが、まだ出番ではない。

それにしても、ジェシーが単独で行動することは自身にとっても不安だった。なぜなら、彼は目が弱いから。
もし暗闇に身を潜めていたら?隠れているだけならまだマシかもしれないが、音も出せない状態で弱っていたら?声の反響で探そうにも彼の名前を叫びながら探す訳にもいかず、助けに来たことを知らせる方法がない。

たらりと背中に冷や汗が伝うが、今は不安に駆られている時間はない。何としても助け出すと誓ったのだからやるしかない。
バチンと両の頬を両手で張り、気合を入れる。先の角から顔を出して人影がないことを確認してから、一気に駆け出した。

...脳にノイズが走ったのは、自分のビンタのせいだと言い聞かせて。

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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは!余計な事を言ってしまってすみませんでした!続きを楽しみに待ってます! (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もえなっとう | 作成日時:2021年1月28日 18時

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