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目黒の体の汗を拭き血の滲んだ包帯を取り替えていると、トントンと控えめなノックの音が響いて扉が開かれる。
そこには阿部と佐久間が立っていた。
「どうしたん、ていうか阿部ちゃん大丈夫なん!?」
「ちょっと寝たから大丈夫。」
「嘘だよ、目瞑ってただけ。」
佐久間に言葉を遮られた阿部は少し眉間に皺を寄せた。頭に乗った氷嚢のおかげか顔色は良くなったように見えるが、あくまで当社比である。
目黒に聞きたいことがあるんだけど...と気まずそうに言う佐久間に、目黒は快く答えた。気持ちが不安定になっているかもしれないと心配していた2人は目を合わせた後、ベッドの傍に座った。
「ごめんね、調子悪くなったらすぐに言ってね?」
「大丈夫だって。」
用紙とペンを広げた阿部は再び口を開く。
「襲われた場所は東側のビル群付近で間違いないよね?」
「...うん。」
「変わったこととかあったら教えて欲しい。些細なことでもいいから。」
ぽつりぽつりと、目黒は語り出す。
「久々に晴れたから一緒に遊びに行って...。変わったもの見つけた方が勝ちねって言ったラウールが建物の影に行った時に、物音が聞こえて、...そしたら車が、向こうに見えて、」
「落ち着いて、大丈夫だから。」
向井は背をさすり、佐久間はセットしていない目黒の髪に手を差し込みやんわり撫でる。呼吸を落ち着けた彼は再び喋り出した。
「行った方向に戻ったらもういなくて影に沈んで探したけど全然見つからなくて...。
...そう、そうだ。そこに男の子がいたんだよ。」
「ラウじゃない男の子?」
「うん。ラウールの居場所聞いたんだけどわかんなくて。その子、あんなに寒かったのに薄着だったんだ。体も冷えてたのに寒さを凌げる場所を探す様子もなくて...。」
ペンが紙を滑る音が響く。
「そしたら、攻撃してきて。手から光が出る能力...なのかも。目が見えなくなって、腹刺されて....向こうで、ラウが連れていかれるのが見えた。
軍人が指示出してた。全部政府の仕業だ。あの子も家族がどうなってもいいのかって言われてたから...。」
佐久間は背中に冷や汗が伝うのを感じた。阿部は険しい顔のままメモから目を離さない。
目黒は1番近くにいた男の袖をきゅっと掴み、声を震わせる。
「康二、どうしよう。きっと俺らと一緒だ。」
向井は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (
レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは！余計な事を言ってしまってすみませんでした！続きを楽しみに待ってます！ (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえなっとう | 作成日時：2021年1月28日 18時
