私 ページ26
明日からとうとう仕事が始まる。
小さい頃に憧れていたお店で働くことになった。
小さい頃、母の仲の良い友人がお店を始めたとのことで家族でこの街に訪れたことがあった。
当時の記憶はあまり覚えていないものの、母の友人が始めたお店だけは鮮明に覚えていた。
小さい頃の私には表せないくらいの思いが込み上げてきた。
素敵だった。
とても魅力的に見えた。
友人含めお店、全てがとてもキラキラしていた。
――私も大きくなったらここで働きたい…!――
どんな仕事なのかも知らないはずなのにそう強く思った。
小学生の頃まではずっと憧れを抱いててはず。
しかし、いつからかその気持ちも薄れ、夢も見つからないまま成長してしまった。
いざ、就職となったとき働ければいいかなと思っていた時に母から話がある。
と―――――。
「ねぇ、A。働きたいところは見つかった?」
『ん〜……。まだ……でもちゃんと就職はするから心配しないで大丈夫だよ。何社か見つけてはいるから。』
「そう。……ねぇ?小さい頃覚えてる?私の友達のお店に行ってからずっとここで働くんだ!って言ってたの。」
『…ふふ、懐かしい……。確かに言ってたの何となく覚えてる。何かとにかくすっごく素敵で…。』
「覚えてたのね。よかった。それでね?その子が貴女を自分のお店に迎え入れたいって。あの頃、Aがはしゃいでたのがすっごく嬉しかったみたいで大きくなったら一緒に働きたいって言ってたのよ。」
え……私と………?
懐かしい憧れていたお店とその友人の話を聞いて忘れていた思い出がよみがえってきた。
「お、そいつはいい話じゃないか。」
『お父さん…!』
「ふふ、でしょ?でも強要するつもりはないみたい。もしも、まだ憧れて働きたいって思ってくれてたらいつでも歓迎するって。」
そっか……。
思い出してきた。
特にやりたいこともなく、何も思わない会社で働くよりも何十倍もいい。
『お母さん、私そこで働く。働きたいっ。』
「ほんと!?…私に気使ってるとかじゃないわよね…?貴女の意志という事でいいのよね…?」
『ふふっ、当たり前でしょ。』
「おぉ、そうか。けど、Aとは離れて暮らすことになるのか……。寂しくなるな……。」
「ふふっ、その時は会いに行けば良いじゃない。でもほんと寂しくなるわね…。」
『もう二人ったら。』
しんみりしたものの最後は笑いあった。
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もなか。(プロフ) - たけまなさん» たけまなさん初めまして、もなかと申します。嬉しいお言葉ありがとうございます…!!では今後も楽しいお話がかけるよう頑張ります…! (2020年10月26日 21時) (レス) id: aa5b23d2cc (このIDを非表示/違反報告)
たけまな(プロフ) - 初めまして、たけまなと申します。一気に今日まるごと読んでしまいました!(笑)とても面白いです、楽しく読ませて頂きました!今後も応援させて頂きますね(^o^)! (2020年10月26日 18時) (レス) id: 6f25f1091f (このIDを非表示/違反報告)
もなか。(プロフ) - グリノワさん» ありがとうございます!ご期待に応えられるよう頑張りたいと思います…! (2020年10月21日 23時) (レス) id: aa5b23d2cc (このIDを非表示/違反報告)
グリノワ(プロフ) - もなか。さん» それは良かったです!先程はなんだか気分が落ちているように見えたので何かしたのかなと思ってしまってました。でも何事もなくて本当に良かったです!これからも楽しみにしてます!今の時期は油断大敵なので、適度に休みを入れつつ更新頑張ってください! (2020年10月21日 20時) (レス) id: 99844850a9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか。(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん、コメントありがとうございます!極力沢山お話が進められるよう頑張りますね。 (2020年10月21日 19時) (レス) id: aa5b23d2cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか。 | 作成日時:2020年10月13日 1時