ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

参りました#44 Kei ページ44

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申し訳なさそうに瞳を揺らす彼女は、

温厚篤実を絵に描いたような優しい人間だ。







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俺と知念が離さなくなったのは、

決してAちゃんのせいじゃない。




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好きな人の彼氏になったのが親友。




それだけのことだ。








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ただ…、


同じ図書委員になって、

調べ物をするために一緒に図書館へ行った時。



悲しそうな顔をするAちゃんを見て、






なんで知念と幸せになってないんだよ、


Aちゃんは笑ってなくちゃいけないのに、

どうして…って。





そう思ったら知念が許せなかった。





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小心者な俺には、

弱みにつけこんで略奪するなんてことできなかったけど、



結果として彼女の笑顔を取り戻すことができたのならそれでいい。




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なのに俺自信が困らせてどうするんだ。




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「知念は優しいやつなんだ。俺の前では絶対に惚気話なんてしないし、

Aちゃんの話題を出さないようにしてくれてる」



突然話し出す俺に困惑しつつもまだ不安そうなAちゃんに、

大丈夫、という意を込めて笑いかける。




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「そんな知念の彼女であるAちゃんが優しくないわけない。

だから自分を責めないでほしい」




もしこれを聞いても悪いと思っているのならその分、

知念に甘えてほしい。それが俺の本音。




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「こういう時も、ありがとう、でいいの？」

「ふふっ、もちろん」




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ねぇ、これで最後にするから、

困らせてもいい？




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「Aちゃん、」



顔を上げて、俺の目を見た彼女に






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「今までのことに責任なんて感じなくていいから、


それ抜きで俺のことも考えてほしい」






精一杯の気持ちを告げた。

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