ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

妬いてください#29 Yuri ページ29

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腕の中に、Aがいる。






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『なんで』と言いながらも、

離れようとしない彼女が、たまらなく愛おしい。






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僕に見せつけるように伊野ちゃんと仲良くするA、

僕のことは呼び捨てじゃないくせに伊野ちゃんを呼び捨てにするA、



可愛い笑顔を、僕じゃない男に見せちゃうA。




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もうずっと前から、妬いてる。





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付き合い始めてから気づいた独占欲も、

大事にしたいって思いも、


愛おしい感情も、



捧げたいのは君にだけ。






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ねぇA、

君は差出人不明でも一人で来てしまうんだね。





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振った腹いせで何かされたらどうするの？

屋上だし、誰も助けに来ないんだよ？




Aには、守ってもらう存在が必要なんだ。

それは、僕じゃなきゃ嫌だ。





離さない。そう思いながら抱きしめる。





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「知念くんは…っ」



腕の中で、何かを訴えようとするA。



「ん？」




小さな声を聞き逃さないように耳を傾けた。





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「…知念くんは、私のことが、嫌い？」




瞳をうるうるさせて、必然的な上目づかいで、

僕にそう尋ねた。





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「………ばーか」






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わざとじゃなくて、無意識なところ。


可愛く見せようとするんじゃなくて、自然にそうなっちゃうところ。




男をドキっとさせる要素だってたくさん持ってるのに、…そういうのはずるい。






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「嫌いなわけないでしょ、………大好き」






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全部…全部、僕だけに見せてよ。

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