妬いてください#28 ページ28
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時の経過とは、憂鬱な時こそ早く感じるもの。
「……大丈夫、何かあったら叫べばいいんだから」
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屋上の扉の前。
私を呼び出した人はもう待っているのかな。
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そっとノブを握る。
立て付けの悪いキイィという古い音がして、
それに合わせて屋上の扉がゆっくりと開いていく。
少し肌寒いくらいの風。
緊張して体温が上がった私にはちょうどよくて、心地よく感じる。
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屋上に足を踏み入れて少し進む。
その先に、
フェンスにもたれかかっている男子生徒がいる。
おそらく、この人が私を呼び出したんだろう。
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見覚えのあった字の真相。
感は、的中した。
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「……遅かったね?」
面と向かうのは久しぶりで、懐かしく感じる。
なんだか儚くて、
風に吹かれて消えてしまいそうだ。
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「……知念くん」
彼の、私を見る目が、優しい。
冷たい彼の記憶を上書きするように、
優しく微笑んだ。
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「…差出人、書いてなかったでしょ?」
知念くんは私に近づく。
一歩一歩確実に、
だんだんと詰まる距離に、
私の心臓は早鐘を打つ。
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「誰がいるのかも分からないのに来たの?」
目の前まで来た彼は、
「危機感がないよね、僕の彼女は」
包み込むように、私を抱きしめた。
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「なんでっ………」
何度も夢見た温もりに、
溶けてしまいそうになる。
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美香 - 初めまして!めっちゃ知念君格好いいわ!完成おめでとうございます! (2018年1月31日 22時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
衣月(プロフ) - 知念担かつ弓道部員なのでこのお話すごくいいです!更新頑張ってください! (2018年1月7日 19時) (レス) id: 393bdf7cd9 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 読みましたよ、~!更新おつかれさまでした。もちろんです!ずっと応援してますよ!頑張ってください! (2017年12月31日 0時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - の んさん» 書き直すかわりにafterstoryを追加しましたので、よければ読んでみてくださいね(o^∀^o)ぜ、全部…!?わわわっ、嬉しい限りですー!ありがとうございます☆これからも応援お願いします! (2017年12月30日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 察しがつきました ! 笑 そんなことないですよ!作品を読んでて知念担のわたしにとってはめっちゃきゅんきゅんしました!笑 もえあさんの作品すごく好きですべて読ませていただいているのでこれからも頑張ってください!長文失礼いたしました。 (2017年12月30日 18時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年6月4日 21時