ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

妬いてください#21 ページ21

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『おはよう』



たったひと言で、空間を凍てつけるようだった。

そして彼は私を見た。




相変わらず彼の目は澄んでいる。



久しぶりに、ちゃんと目が合った。

嬉しくて、心の底から湧きあがる何かを感じた。




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だけど、



「朝からラブラブだね、Aと伊野ちゃん」



感情のこもっていない声でそう言った。



怖いくらい笑顔な慧。

それに対抗するかのように、ポーカーフェイスを貫き通す知念くん。




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「何か言いたいことがあったんじゃないの？」




目の前の彼はそのままの表情で、淡々と言う。




「言いたいこと、ねぇ。忘れちゃった」




隣の彼はふわぁっと間延びした声で言った。



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ふざけていると感じてもしょうがないのかもしれない。



「そういうの、ほんといらない」



イライラしているような、そして呆れたような声。


知念くんは効率重視だから、

無駄な時間は使いたくないのだろう。





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「まー落ち着いて」



反して慧はどこまでもおちゃらけた態度で、

知念くんをイライラさせていることに気づいていない様子さえ窺える。





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「…早く言ってくれる？…僕は、」


「そんなに焦らなくても……、分かってるでしょ？」




「…なんのこと？」







あ、今…知念くんの瞳が揺れた。





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慧に向けていた視線はまるでスナイパーのようで、

逃げられない無言の圧力があったのに。




なんだか今は、隙だらけだ。

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