ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

妬いてください#15 Yuri ページ15

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「ねー」




まるで感情がない声が聞こえた。

たぶんそれは僕に向けられたもの。




ものすごく聞き覚えのある声。たしかAの友達の、


「三上さん…何か用？」





僕に興味がないのだろう、この人は嘘の笑顔すら貼りつけていない。


それに対して僕は、

お得意の営業スマイルで接する。





けどこの子は顔をしかめて「うわっ…」と声を漏らす。

なんだ、そんなに僕に興味ないんだ。




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「で、何？」



だったら僕が優しくする必要なんてない。

嫌われたって構わない。むしろ本望。



A以外の女子になんて、とりあえず優しくするけど全く興味ない。








「これが二重人格ってやつー？こわーい」

「ねぇ、話ないんだったら帰りなよ」




明らかにさっきとは違う声色で言ったのに、

まだニヤニヤしている三上さん。





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「今日ね私、部活休みなの」

「だから何」


「いつもAと帰ってるんだけど、今日は無理なんだよねー」



なるほど、この子はつまり



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「一緒に帰ってあげて！

部活後は暗いし、女の子1人なんて危ないし！ね？」




やっぱり。

でも僕にはできないよ、と断ろうとした。




しかし「はい決まり」と論破され話のペースは完全に三上さん側。

ちょっと待って。



「無理だよ！だって僕は、」


散々冷たくしてきたんだ。

今さら気軽に誘うなんてできない。



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「あんたそれでも彼氏なの？」

「だって…」



「しょうがないわねぇ、

これ、中島のタオル。届けに来ました、って会うための口実的な？」




ぎゅっと押し付けて、そのまま去っていく三上さん。




タオルにはご丁寧に『中島裕翔』と記名されていた。





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「届けなきゃ、裕翔くん困るよね」






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久しぶりにAと話せる機会をくれた三上さんには、一応感謝しておこう。

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