妬いてください#14 Yuri ページ14
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「…あ、」
生徒用の昇降口から出てきたのは、僕の彼女。
ここからは少し離れた距離だけど、
視力が良いからよく見える。
1人かな…、なんて思っていると、
後ろから追いかけるように伊野ちゃんが来て、
あたりまえのようにAの隣に行った。
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そっか、今日は委員会あったんだっけ。
同じ委員会だからって一緒に行動する必要ないじゃん、と心の中で悪態をつく。
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僕の視線には全く気付かずに、門のところで2人は別れた。
テストが近いため、
教室に置き勉していた教科書が入っているであろうAのリュックサック。
重たそうなそれを背負って、
弓道場まで走っていく姿を視線で追いかける。
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僕が「持ってあげる」なんて言ったら、どんな反応するかな。
照れて真っ赤になって、
「ありがとう」って笑ってくれたらそれでいい。
いつかできるといいな、と思った。
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「知念ー」
「なに、涼介」
「え、冷たくない?彼女には優しいくせにー」
いいよねバカップル、と言うけれど…実際は違う。
「…好きな子にほど、優しくできないの」
恋ってそういうもんだ。
好きになればなるほど、そのことしか考えられなくなるのに、
かっこつけようとして空回りする。上手くいかないことばっかり。
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「口では冷たいこと言ってるかもしれないけど、」
涼介は途中まで言ってニコッと微笑むと、
「知念がAちゃんに向ける目は、優しいよ」
でもそれは、Aが見てないときだけ。
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本人の前で素直にならないと、いつか愛想を尽かされる。
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一生好きでいてくれる保証なんて、ないんだよ。
僕の初恋の人で、
これからも好きでいる自信がある人で、
何よりも、守りたいって思える人。
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きっとそう思ってるのは僕だけじゃない。
Aは人気だから、不安なんだ。
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冷たくすることしかできない僕に、
こんなこと思う資格なんてないのかもしれないけど。
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美香 - 初めまして!めっちゃ知念君格好いいわ!完成おめでとうございます! (2018年1月31日 22時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
衣月(プロフ) - 知念担かつ弓道部員なのでこのお話すごくいいです!更新頑張ってください! (2018年1月7日 19時) (レス) id: 393bdf7cd9 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 読みましたよ、~!更新おつかれさまでした。もちろんです!ずっと応援してますよ!頑張ってください! (2017年12月31日 0時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - の んさん» 書き直すかわりにafterstoryを追加しましたので、よければ読んでみてくださいね(o^∀^o)ぜ、全部…!?わわわっ、嬉しい限りですー!ありがとうございます☆これからも応援お願いします! (2017年12月30日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 察しがつきました ! 笑 そんなことないですよ!作品を読んでて知念担のわたしにとってはめっちゃきゅんきゅんしました!笑 もえあさんの作品すごく好きですべて読ませていただいているのでこれからも頑張ってください!長文失礼いたしました。 (2017年12月30日 18時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年6月4日 21時