星に手を伸ばして

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安定剤を打たれた私はそのまま眠ってしまった




その後目を覚ました頃には私も落ち着きを取り戻していて、警察の人達が私に起こったことをすべて教えてくれた。









D Vを疑われるような音が聞こえる、という情報が何度かマンションの住民から警察に届けられていて、あの日たまたま家宅捜索に警察の人がやってきた






そこで倒れている私と血を流して死んでいる修二さん…私の元夫がいた





その現場を見た警察の人は最初どうして加害者側の修二さんが死んでいるのか疑問に思ったらしい



でもその後の捜査の末、私が首を絞められたときに近くにあった鈍器…つまりあの写真たてで咄嗟に殴った、ということが分かった




ゆえに私は"正当防衛"という形で罪には問われないらしい。





そんな所まで分かっちゃうなんてすごいな…なんて人事のような感想しか出てこなくて自分でも呆れるくらいだったけど




人事にしないと、自分を支えきれなかった









あの時の出来事は辛くて、思い出したくないことばかりだけど、

もう修二さんを純粋に愛していた頃の気持ちが蘇ることは絶対にないけど、



でも、それでも、あの人は私の夫であの人の妻は私だった









でももう、修二さんはいないから。





私はこの先新しい人生を送るんだ。









暴力に怯えて、ただ耐えて自分を殺すことしかできなかったあの時とはもう違うから。








修二さんと私は離婚という措置になり

苗字も結婚して矢部になっていたのが、もともとの内藤という苗字に戻った。




これからはまた新しくスタートするんだ。









そう信じて疑わなかった。

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