星に手を伸ばして

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北山







「理輝くんの親権はあなたにありますよね…？」







ドクッと、俺の心臓が反応を示したのがわかった









あからさまに動揺している



北「A…………？」



俯いたまま目を見開くA





理輝の親権はAにある？

でも"今の理輝の親権"ってことは

"前の理輝の親権"は…？





理輝とAの間にはなにか普通ではないような関係があるのはなんとなく分かってた

でも、親権って……





Aが同意書にサインをしている様子を、どこか人事のように眺める




サインを受け取ると、先生は急いで部屋を出ていった














A「…驚きました？」

北「…」

A「そりゃ、そうですよね」






静かに話すAの表情はとても悲しげで、苦しそう。






北「ね、聞いても…いい？」






Aは何を抱えてるの？







北「確かに俺じゃ、何もしてあげられないけど…でも、共有することはできる。」



北「Aの気持ちに寄り添うことくらいはできる」







どうか、この気持ちが届きますように…。














ふぅ…と小さな深呼吸が聞こえた







A「場所を、変えても…？」


北「うん、いいよ。」









パタ…パタン…







長い長い廊下にスリッパの音と、靴の音を響かせながらあとに続く







ずっと気になっていた、Aの秘密









それがやっと知れるとなると少し嬉しい反面、怖いとも思う。





どんなAでも好きだけど、もしこの秘密を話すことでAが俺のそばからいなくなってしまったら…









そこまで考えて、ぶんぶんと頭をふった








A「………」








足を止めた場所は手術室の前






A「理輝の話も関与してくるので、理輝の近くで話さないと」







決心したように話すAの声が震えていた。

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