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暫くみっくんを乗せた車が過ぎ去った方向を見つめていた
当たり前になりつつあった、みっくんのいる生活
何をするにも隣にはみっくんがいて、一緒に笑って、おはよう、おやすみ、また明日って。
毎日それを繰り返してるうちに、当たり前じゃないことが当たり前に感じていて、
その"当たり前"が無くなった時の喪失感は、普通よりも大きい。
カラカラカラ………
後から音が聞こえて振り向く
理輝「A……」
引きずってきた点滴をぎゅっと握りしめて目に涙を浮かべる理輝の表情を見るからに、きっと影から見ていたのだろう
ギリギリまでみっくんといたかった気持ちは理輝だってあったはずなのに
それでも自分の感情を抑えて最後まで遠くから見送った理輝は私よりずっと大人だ。
理輝「みつ…行っちゃったね…」
A「うん」
理輝「また会えるかな……」
A「うん」
理輝だって辛いのに、一生懸命話しかけてくれる
それに私はうんとしか答えられなくて
誰かと笑い合うことは私にとって、勿体無いの言葉じゃ表せないほどの時間で、
欲なんて、持ちたくなかった。
持たないように、かつ目立たないように、ひっそりと生きて、いずれは死んでいくはずだったのに。
私の人生を照らしてきた彼は、大きすぎる存在で
私の生きる世界とは正反対の世界で生きて、私の進む道とは決して交わることのない道を歩くような人なのに
A「理輝、きょうは一緒にご飯食べよっか」
理輝「来てくれるの!?」
きっとみっくんは私の乾いていた道に、少し潤いを分けてくれてくれた、通り雨のような存在なんだ
また私の進む道が乾いて、どうしようもなくなったら
通り雨の彼はまた、潤いを分け与えに来てくれるはずだから
理輝「A!売店でお菓子買って帰ろ!!!!」
だから、いまは目の前にいるこの子の笑顔が失われなければそれでいい
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はづき(プロフ) - 愛月音さん» 愛月音さん!ありがとうございます!!惹き込まれただなんて嬉しいです(´;ω;`)これからもご期待に添えるように精進して参りますのでよろしくお願いします!!! (2018年7月31日 23時) (レス) id: f736c0b76d (このIDを非表示/違反報告)
愛月音(プロフ) - 初めまして。おすすめ作品で流れてきて、気になって読んでみました。惹き込まれて、次は何が起こるの?って期待せずには居られませんでした!これからも応援しています(*´`) お気に入り登録、作者登録、高評価失礼しますね(。・・。) (2018年7月31日 14時) (レス) id: c39cc0fb1a (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - にくにくさん» にくにくさん!ありがとうございます〜(´;ω;`)これからも更新頑張るのでよろしくお願いします (2018年7月29日 19時) (レス) id: f736c0b76d (このIDを非表示/違反報告)
にくにく(プロフ) - こんにちは!はじめまして!少し切なくて、でもキュンキュンして最高です!更新頑張ってください! (2018年7月24日 22時) (レス) id: 058cbef714 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - サーモンさん» サーモンさんコメントありがとうございます!面白いなんて…ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように精進致しますので今後ともよろしくお願いしますね! (2018年1月10日 19時) (レス) id: 3d33a8ee75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はづき | 作成日時:2017年7月30日 19時