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「ふざけんなっ!」
ビックリして振り向くと、叫んだのは奏芽だった。
「そんなの自己満足じゃん!
そんなことで「あんたに何が分かるの!」、、、え」
私も勿論ビックリした。
初めて誰かの前で感情的になったさくらちゃん。
「そんなことじゃない!!
私は、狂うくらいに辛かった!!
それなのに、そんなことで済まされてやっぱり居場所はないんだね。」
よろよろと屋上の柵に近づく。
ヤバイ、ヤバイよさすがに。
さくらちゃんは精神的に不安定だからすぐにこうなってしまうんだ、きっと。
私は咄嗟にさくらちゃんの腕を掴んだ。
「待って、貴方の居場所はある。」
肩を掴んで、こっちを向かせる。
「確かに、あれは奏芽の言い方が悪かったよね。
さくらちゃんは辛い思いしてたのに、それは『そんなこと』じゃ済まされないよ。
私から謝る。
ごめんなさい。」
深く深く頭を下げる。
「でもね、」
強く肩を強くつかんで、
「いじめられていた子の辛かった思いも、そんなことじゃないって分かって!」
目をしっかり見て、思いが届いてほしいと願いながら。
「確かに、貴方が経験した辛い思い出はそんなことじゃすまされないし、決して無くならない。
でも、いじめられていた子たちも同じなんだよ。
いじめられていた子の辛かった思い出も消えないの。
そんなことじゃないんだよ!」
私はしっかり、はなさないように彼女を抱き締めた。
「辛かったよね、でもいじめられていた子も私も辛かった。
皆同じなんだよ。
それは、分かってほしい。
貴方だけじゃない。」
ブラウスの肩に温かいものが染みる。
私は驚いた。
さくらちゃんが泣いていたんだもん。
「さくらちゃん、私は傍観者だったし偉そうなことは言えない。
奏芽だって、そんなことって言っちゃったけどほんとはいじめられていた子のことを一番に考えていたからの発言なんだよ。」
「、、、、、な、さい、、」
、、、、、え?
「ごめんなさいっ!」
「ほんとに、ごめんなさい、私ほんとにどうかしてた。
バガみたい。
愛子ちゃんとか、関係ないのに。
ほんとに、ごめんなさい。
有希ちゃんの言う通りだよね。」
さくらちゃんは、私から静かに離れ柵の方へ走っていった。
嫌な予感がする。
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流雲(プロフ) - ゆ〜なりさん» これ、アプリで作ったやつだよ〜笑 ありがとう!頑張れる! (2019年10月20日 15時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
ゆ〜なり - すごい面白いー!絵が上手すぎない? (2019年10月20日 10時) (レス) id: dc1b74a6d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - アメリアさん» わあ、うれしい!ありがとうございます!頑張りますね! (2019年9月24日 19時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
アメリア(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月15日 16時) (レス) id: 6670beebf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流雲 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/moe181031suzuki
作成日時:2019年9月3日 21時