すみません、身体が欲しいハンターです

112日目 ページ36

『(人)！ごめん‼』

ハンター練に向かって走り、廊下を歩く(人)を後ろから抱きしめて謝る。(人)はびくりと肩を震わせた。

『きつく当たって、叩いてごめんね。でも、あなたが消えて欲しく無かったの。ここに来るまで(人)の事を全く覚えて無かったし、あなたが私の為に沢山してくれていた事にも気づかなかった私が、こんな事言うのは勝手過ぎるけど…その気持ちは嘘じゃないから』

抱きしめる腕に少し力が籠る。(人)は私の腕を緩く握った。

『そうなのね…。でも私が消える、これだけは変えられないの。例えあなたの運命を変えてしまう力があったとしても…。だから…ごめんなさい。一緒に生きたいと思ってくれていただけで十分だから』

本当に、私は馬鹿だ。

彼女と生きられる短い時間を自分でふいにしてしまった。例え喧嘩が無かったとしても主との勝負に負けてしまえば必然的に(人)とは永久に離れ離れになる。

どちらにせよ彼女と過ごせる時間は残り少ない、そう決まっていた。何で今まで気付かなかったのだろう。

…後悔したって遅い。ならば、せめて

『…明日、絶対頑張ろうね』
『そうね』

残りの時間をめいいっぱい、彼女と過ごそう…









ってなるかぁ‼

何しおらしくなっとんじゃ私ｨ‼ 前のあんたなら大したことない脳フル回転させて何とかしようとしてたやろ！もちろん(人)との残り時間はめっちゃ大事にするよ？

でもさ、魔女の記憶を共有した時のワードがなんか引っかかるんだよ。魔女さんは(人)にこんな感じの事を言ってたんだよね。

『あなたは運命を変える力の制御役です』

って。もしかしたら…私が(人)が消える運命を改変しようとしてる事を阻止する為に言ってるのかな…。

…っ‼ また喧嘩になっちゃうかもだから聞けないや…。

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