良い人すぎる ページ41
｢アクシアさんは、アクシアさんです！クローンなんかじゃないし、もしクローンだとしても、気持ち悪くなんてない！アクシアさんは、何も悪くないじゃないですか！｣
ドアの向こうの細い身体に届くように、大きな声で伝える。
｢…Aちゃんは優しいね｣
届かない。
｢優しいのは貴方の方です！せめて誰かに相談して、独りで抱え込まないで…っ｣
｢相談なんて、できるわけない…おれのせいで、他の誰かが傷つくのは絶対に嫌だ｣
｢アクシアさん……｣
｢ローレンは同じスローンズの仲間で、相棒なんだ。心配かけたくない｣
｢パタ姐にはいつも笑っていてほしいし、先生も博士も、きっと物凄く心配しちゃう｣
｢みんな、大切な存在だから｣
宝物を抱きしめるみたいに、温かい声が聞こえた。
アクシアさんは、良い人すぎる。
｢みんなが悲しい思いをするくらいなら、おれの身体が痛いことなんてどうでもいいの｣
自分を犠牲にしてしまうほどに。
｢殴られて蹴られて、存在を否定されて…おれの居場所なんて、どこにもないのかもしれんね｣
｢そんなの、そんなの！犯罪と同じです！教官に訴えることはできないんですか…？｣
｢ダメだよ｣
｢ダメ、って…｣
｢彼らは、エリートなんだ。将来エデンを救う英雄になる存在｣
｢そんな…そんな人間が英雄だなんて、そんなこと…！｣
｢それでも！彼らのお陰で助かる命があるかもしれないから｣
｢そんな……｣
この人は本当に良い人すぎる。
自分を虐める相手を許すと言っているのだ。
しばらく無言の時間が続く。
意を決して、口を開いた。
｢…私もね、自分なんて居なくなった方がいいって思うような毎日を送ってたんですよ｣
｢何食べても味なんてしなくて、朝日が大嫌いになって、日を追う事に惨めになるような、そんな毎日だったんです｣
エデンの路地裏で生きるしかなくて、頼れる人なんているはずもなくて、本当に孤独だった日々を思い出す。
｢でもね、この家はすごく温かくて。私を拾ってくれたローレンさんと、素敵な笑顔で明るい雰囲気を作ってくれるパタ姐と、頼れるオリバーさんと、意地悪だけどなんだかんだ優しいレオスさん｣
｢…うん｣
｢この人達なら、きっと大丈夫ですよ｣
｢そうかな、迷惑じゃないかな…｣
｢アクシアさんの事、迷惑だなんて思うわけないじゃないですか！｣
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頭華(プロフ) - くらげさん» えへへ…コメントありがとうございます♡ (2021年10月5日 22時) (
レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ヒィ…おそろしい…axくん…まさかここでクローンネタがくるとはって感じです想像の斜め上をいかれた流石すぎる…本日もお疲れ様です (2021年9月28日 17時) (レス) @page41 id: 8ae060a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - Fineさん» コメントありがとうございます！勝手に脳内で博士の声で再生してしまいました笑 アクシア君の抱えているものがうまく描写できてたらいいな… 頭抱えて飛んで頂けたら幸いです！ (2021年9月28日 2時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - くらげさん» ありがとうございます！重たいですよね笑表情筋ぶっ壊れてほしいですねぇ〜 (2021年9月28日 1時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
Fine(プロフ) - あぁぁあぁぁあ何ですかこれぇ！？！？！？ｱﾞｱﾞｱﾞ重くて好き〜こんなの待ってました〜！！！！私の心臓が持ちませーん！いつも更新楽しみにしてます！アクシア……君は一体何を抱えているのかい……それ次第では私は頭抱えて飛ぶぞ……。 (2021年9月26日 16時) (レス) @page37 id: f4f4fca585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頭華 | 作成日時：2021年9月5日 2時
