your voice 2 <Wataru.Y>

52 ページ7

ほんと、ひどい顔…





鏡に映る自分は今にも泣きそうな顔









結局撮影風景は最後まで見れずにインタビュー室でセッティング準備をしていると








ガチャ！！！







開くはずの無い扉が急に開いた








「!!!!!」








そこには…






「お！！ごめんなさい…あれ、聞こえるんだっけ…？」









…えぇっと・・・







あ「あ、大丈夫です…すみません、驚いてしまって…私の方こそ、声のボリューム大丈夫ですか？」





すると、ニコっと笑って





「大丈夫。こちらこそ、驚かせてしまってすみません」




ペコッと頭を下げた




確か…北山さん、




最年長で最少サイズ…






北「柚木さん、下の名前は？」


あ「え？」


北「下の、な・ま・え…教えて？」


あ「すみません。…Aです。柚木Aと申します」



北「…A、あぁ…！だからか…」


あ「？」


北「ううん、なんでもない。下の名前で呼んでもいい？」


あ「え！？…それは・・・」


北「いや、俺、お世話になってるスタッフさんとは下の名前で呼び合うの。だから、ね？」



あ「…いや〜それはちょっと…」





だって、ね？アイドルだよ？


スタッフといっても私は雑用係りだもん…






北「お願い！」






パン！と両手を私の前に合わせる北山さん





…。









あ「…わかりました。いいですよ？でも、上司の前では…」




すると花が咲いたような笑顔で




北「よし！！短い時間だけど、よろしくね！Aちゃん」






そう言って右手を差し出したから





私も右手をそっと差し出すとキュッと私の手を握った

53→←51

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す