No.54 ページ5
HS「早く戻ってくるんだよ！」
「うん！」
やっと放課後になって、ホソクとエナに見送られながら、あたしは急ぎ足で体育館裏へ向かった。
…告白なんて緊張する！告白じゃないかもだけど！
そんな事を思いながら、相手が来るのを待っていると、
??「キム・Aか？」
知らない人の声が後ろから聞こえた。
その人は制服を着てなくて、学校でも見た事がなかったからすぐに外部の人だとわかった。
男の人なのはわかったけど、マスクをしていて顔が良く見えなかった。
「…あの…？」
恐る恐る声をかけるとその人は目じりを下げて、マスクを取った。
??「僕の顔に、見覚えはないかな？」
…コテっと首を傾げる姿も、今は憎たらしく感じる。
あたしは生まれてこの方、こいつの顔を一瞬足りとも忘れたことは無かった。
「あなたは…」
??「覚えていてくれたようで何より。さっそくだけど、僕と一緒に来てもらおうか？」
そう言って彼はあたしに手を差し出す。
だけどあたしはその手を思い切り振り払った。
「行くわけないでしょ！一体何しに来たの？！」
いつもは感情的にならないあたしでも、こいつの事だけは落ち着いていられなかった。
あたしはキッと彼の顔を睨む。
だけどそれは彼にとって予想内の事だったようで。
胸ポケットから何かを取り出して、あたしに見せた。
??「君の名前や今の家族構成を、この写真達と共に世間に出たら、どうなってしまうか、分かるよね？」
ニコリと不気味に笑う彼に、ただ憎しみが募るばかりで。
オッパやマンネ、アボジの事を思うとあたしはただ、3枚の写真を睨みつけるしかなかった。
??「それが嫌だったら、一緒に来てもらおうか。」
そう言って彼は再びあたしに手を差し出す。
この写真が世の中に出回ったら、あたしはもうみんなと一緒にいれなくなる。
…だけど、この手を取ってもきっとみんなとはいることが出来なくて。
だったら何が1番いいかなんて、決まってる。
あたしはその手に応えた。
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みんぎ ARMY - のあさんの小説、好きです！ (2020年5月15日 10時) (
レス) id: 0f2332ca0a (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - さゆみさん» ありがとうございます！ぜひ他の作品も読んでもらえると嬉しいです！ (2020年3月30日 19時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ - とてもいい話で感動してずっと泣いてました！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: 30b5ba8ba9 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ロゼさん» ありがとうございます！！！！感激です…！ (2020年1月17日 6時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ - 新作も読ませて貰いますw (2020年1月16日 22時) (レス) id: e951c39958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘塩爺 | 作成日時：2019年12月27日 12時
