アメフリレインボウー2ー (ページ45)

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#45 pouring ページ45

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シャワーを済ませて適当な部屋着に着替えれば

リビングのソファに浅く腰掛けていた髙橋くんは

私に気づくと勢いよく立ち上がった。

『ごめん！』

唐突に頭を下げられて戸惑いを隠せない。

髙橋くんは顔を上げないまま

意図の掴めない言葉を再び口にした。

『俺ずっと、Aちゃんを騙してた。』

「……騙してた？」

『この前俺に聞いたよね？Aちゃんの学校に知り合いがいるかどうかって。』

そういえば髙橋くん、あの子と歩いてたんだっけ。

この前は何故かはぐらかされたけど

二人が友達だろうと恋人だろうと

今さらどうだっていい。

どっちにしろ髙橋くんには言えない。

その彼女に酷いことされました、だなんて。

「その話ならべつに…」

『脅されてたんだ。』

「え？」

『情けない話なんだけど…、Aちゃんを

傷つけられたくなければ言われた通りにしろって。

…Aちゃんの友達だって子に。』

全く頭が追いつかなくて

自分でもわかるほどに激しく視線が泳ぐ。

『Aちゃんが廉って人の傘を店に取りに来た日。

あの時からずっと、写真の存在も知ってた。』

髙橋くんが決して触れなかった話題。

何も言わずに私を守るように接してくれていた彼は

今となってはたった一人の私の味方だった。

話を理解するのは後。

今はただ流れてくる言葉を必死に吸収していく。

『Aちゃんの学校の文化祭に行ったのも

Aちゃんを廉くんから遠ざけようとしたのも

夏休みにあのイベント会場に連れてったのも

…あの日俺がAちゃんにしたことも、

全部、あの子に言われた通りにやった。』

巡っていく記憶。思い出す場面。

すべてが偽りで作られた日々だったってこと…？

『でも上手くいかなかった。あの子は廉くんから

Aちゃんを遠ざけたかったみたいだけど

結局俺なんかにそんなことできなくて…

二人が距離を縮めていくのが

気に入らなかったんだと思う。

Aちゃんを傷つけないって約束だったのに

俺が知らないうちに、あの写真が出回ってた。』

だからこんなことになったのは、全部俺のせい。

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