アメフリレインボウー2ー (ページ46)

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#46 pouring ページ46

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私は今まで何を見てきたんだろう。

何を信じればよかったの？

友達にも、味方だと思ってた人にも裏切られて

永瀬くんは、もういなくて。

『昨日、あの子から連絡がきて、言われた。

自分がやったことAちゃんに話すって。

それだけはやめて欲しかった。

苦しめてたのが自分の友達だったなんて

Aちゃんが知ったら

もっと辛い思いすることになるから。』

──あんたがムカつくからに決まってんじゃん

そうだよ。私の心は見事に粉々にされた。

これで本当にひとりぼっち。

全部全部、なくなった。

『でも結局……。

Aちゃんがこんなに傷つくことになるなら

最初から俺が違う方法で守ってあげればよかった。

……本当にごめん。』

でも、髙橋くんを責めるのはきっと違う。

思い返せば、彼はずっとずっと

私に伝えようとしてくれていた。

永瀬くんの傘を取りに行ったあの日も

──気をつけてね

文化祭の日も

──あとで傷つくのはAちゃんだよ

彼なりに私を守ろうとしてくれてたんだ。

それに気づけなかったのは、私。

そして、ふと疑問に思う。

「なんで髙橋くんがそこまで…？そもそもどうして

あの子は髙橋くんを巻き込んだの…？」

もともと髙橋くんは何の関係もないはずで

どこかで彼女との接点があったとすれば

バイト先のパン屋に髙橋くん目当てで押しかけていた

女の子たちの中の一人……？

『知ってたんだよ。

俺が、……Aちゃんのこと好きだって。』

窓に激しく打ちつけていた雨はいつのまにか弱まり

しとしとと穏やかな雨音に変わっていた。

「でもそれは、」

『確かに、あの子に言われた通りに

Aちゃんの気を引こうとしてた。

でも、本気だったよ。俺の気持ちは本当だった。』

どうしてだろう。

『ちゃんと言えてなかったけど

俺、Aちゃんが好きだよ。』

気持ちは嬉しいのに、

こんなにも感情が複雑に絡み合うのは。

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