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#Search.35 ーRenーページ35

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俺の胸で泣きじゃくって鼻水までつけてきた

Aから電話があったのは

その次の日の夜だった。

＂平野くんが普通に話しかけてくれた＂と

弾んだ声が聞こえてきたとき

Aが嬉しそうなのと

やっぱり気に入らんそいつが癪に障って

複雑な気持ちになった。

「なんなんそいつ！気まぐれか？ひどない？」

あんだけ涙流したAも

本当は知りたくもない話聞いて無駄に落ち込んだ俺も

なんかバカみたいやん。

『いいの！もう元気になったし！ありがとね、廉』

相変わらず能天気なA。

「まぁAがそう言うなら、べつにええわ。

俺は納得いかんけどな」

ようわからんそいつに腹立ったけど

Aが元気になったから、とりあえずいい。

「あ、おまえ今度なんか奢れよ？」

『は！？なんで！』

さっきまで嬉しそうだったAが

今度は顰めっ面しとるのが目に浮かぶ。

「俺のシャツに鼻水つけたやろ！弁償や弁償！」

『洗濯すれば落ちるじゃん！』

「黙れや！鼻水つけたんは事実やろ！」

言い返せなかったのか

一瞬声が途切れた電話の向こうで

彼女は今度はどんな顔をしているだろう。

俺の知らない＂平野＂の前では

どんな表情をみせるんだろう。

「泣いたり笑ったり怒ったり、忙しいやつやなー」

本当は笑っとるのが一番やけど

俺の前でどんな表情も見せてくれるAが

俺は大好きなんだ。

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