恋する本屋さん６

P204 ページ26

小さくなる後姿






あ・加奈「・・・行っちゃった」


加奈「さてと、かえろっか〜」


あ「うん、加奈は今日はどうするの？」


加奈「今日はサボる！失恋休暇ー」








ぐーんと伸びをする加奈をぎゅっと抱きしめる





加奈「何よ、・・・真昼間からで素面じゃ流石に恥ずかしいんだけど？」








あ「…こういう時まで強がらないで」


加奈「ふふ…強がってないよ」


あ「ほら、それが強がり」


加奈「ふふ、ありがと」


あ「うん」









加奈「むしろね、ほっとしてる…私の止まっていた時間がやっと動き出したの…」


あ「止まってた時間・・・」


加奈「・・・そう、初めて会ったあの日から・・・でも、やっと終われたの」





あ「・・・でもさ、辛いに決まってる」

加奈「え？」

あ「少なくとも私はそうだったよ？」






あ「ずっと雅兄の事好きだったんだもん。そんな急に切り替えなんて出来るはずないよ・・・私だってそうだったよ？・・・朔ちゃんとはあんな最低な別れ方だったけど…辛かったもん」






うん、今でも思い返すと胸がズキンと痛む


でもね・・・







加奈「ふふ・・・あーAにはお見通しかー」








あ「…やっと素直になった。当たり前。何年親友やってると思ってるの？」



加奈「…ありがと・・・んじゃさ、傷心の親友の我儘聞いて欲しいんだけど」






私にはみんなが居たから…







あ「どんとこい！」









ぎゅっと私を強く抱きしめなおして一言









加奈「世界屋で美味しいコーヒー淹れて欲しい。んで、夜には一緒に飲んだくれて？」









あ「ふふ・・・お安い御用！」

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