恋する本屋さん６

P197 ページ18

あ「…どういう事？」




夕貴の目は今までに見た事もないような真剣なまなざしで…





夕「・・ずっと隠すんでしょ…？ 隠し通せるの…？
・・・Aがずっと我慢し続けて …傷付くことも、もしかしたら危険な事もあるかもしれない・・・

俺、北山さんは・・・・凄い人だって思う・・・でも、それだけじゃ２人は幸せになれないって事、俺だってわかる… だから・・・


・・・俺は認められない。絶対にAが辛い思いするのが分かる・・・」





とても痛そうな顔で…




あ「…」





夕「A？ 俺はずっとAを見てきた。今、すっごい良い顔してるよ…。悔しいけど…今はいいかもしれない。でも、Aは本当に大丈夫？この先も耐えられるの？」









そっと私の手をマグカップごと包んだ夕貴





手から伝わる体温が



思いの外に温かくて









手の体温から色んな記憶がよみがえる



昔は私よりも背も小さくて


でも、今と変わらずやんちゃで破天荒で…



夕貴の小さな手がいつも私をひっぱて外に連れ出してくれた



なかなか馴染めない私の心の鍵を開けたのは夕貴だったのかもな…





その手が、こんなにも大きくなったんだね…









夕「俺はAには幸せになってもらいたい・・・出来れば・・・俺がAを幸せにしたい」





あ「…夕貴・・・」









夕「A、引き返すなら今だよ？」









真剣に私をまっすぐ見つめる目



幼い頃から変わらないまっすぐな瞳









引き返すなら今・・・

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