夢の後先 (ページ23)

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atosaki 23 ページ23

【kento】

Kそうだ、お土産あるんだけど
Aちゃんいぇーい♪
K明後日とか大丈夫?
Aちゃんバイト始まる前ならいつでも夜更かし上等っす
Kありがとう、テッペン越えちゃうしれないけど
Aちゃんはーい

仕事柄、いろんな土地に出かける。素敵なモノや美味しいモノがあれば買ってきて友達に渡す。

いつの間にかその宛先にAちゃんも入っていた。

大学生の頃は、週1で会えたから簡単に渡せたんだけれども。前回、買ってきちゃってから渡す手段が無いことに気がついて、めちゃくちゃ焦ったっけ。

どーする？ってAちゃんと相談して。
自分で言うのもなんだが、俺は人気アイドル。外で会ったりして万が一のことがあったら、Aちゃんに迷惑がかかるのはもちろん、自分的にも損しかない。

だって、付き合ってる訳じゃないから。

大学の後輩でーす、授業一緒で仲良くなりましたー、という事実が事実として通じる世界だったらどんなに楽なんだろう。

結局、俺が充分気をつけてAちゃんのお家にお届けという形に落ち着いた。

「・・・ホント仲良いんだな」

さり気なく隣に来ていた高地。

「俺のことアイドルだと思ってないから」
「ふーん」
「むしろあっちが俺のアイドル」

訳わからんという表情をする高地。最初はどうあれ、今は友達なんだけどね。

・・・アイドルだって異性の友達くらい居たって良いでしょ？

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【you】

オートロックの呼び出し音が鳴る。流石に真夜中なので相手を確認して解除をし、その足で玄関の鍵を開ける。

ピンポーン

「開いてます！」

・・・。

またやっちゃった。習慣って怖いね。

「こら、ちゃんと相手を確認してから鍵を開けなさいって言ったでしょ？」

やっぱり怒られた。

「オートロックで確認しました！それにこんな夜中に来る客なんて先輩くらい」
「オートロック開けたついでに誰か入って来たとかさ、それで背後から俺が殴られて気絶してる間にピンポーンとかさ、有り得なくはないでしょ？」
「・・・流石の妄想力ですね」

そんなやり取りをしたがら部屋に入り、帽子だのサングラスだのを外す。相変わらずの重装備。アイドルって大変だな。
　
「はい、お土産」
「ご当地キティ？」
「当たり！」
「やったあ、ありがとうございます」

中島健人のおかげで、ご当地キティをコンプリート出来る日もそう遠くは無いかもしれない。