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狗巻に連れられて高専を出た花宮。
校舎を出た辺りで、狗巻は花宮の腕を握っていた手を離した。
「いくら、すじこ?」
どこに行くのか決まっているのか、と狗巻は尋ねる。
「えーと、どうしようかなぁ。
女の子と男の子らしいけど……無難にお菓子とかでいいかな…?」
「しゃけ」
別に食べれるものを貰って困ることはないだろう、と思い、賛成の意を見せる狗巻。
「じゃあ……折角東京まで来てくれたんだから、東京のお菓子あげたいよね!」
"何にしようかなぁ"とスマホで東京のお菓子を検索にかける花宮。
画面をスクロールしながら、"どれがいいと思う?"と狗巻に尋ねる。
狗巻は花宮のスマホを覗き込むため、少し顔を寄せる。
「ツナツナ」
「これ?」
花宮がスクロールしている途中で、狗巻が指さしたのは"東京ブラウニー"
名前に"東京"と入っていてわかりやすいと思ったからだ。
どう?、と顔をスマホから花宮に向ける狗巻。
……が、思っていたより近寄ってしまっていた距離に自分で驚く。
また、それは花宮も同じようで、目をパチパチさせていた。
「こっ、こんぶ…!」
「う、ううん!全然大丈夫!
東京ブラウニーいいね、これにしよっか!」
"近くの店舗は〜…"と調べ始める花宮を横目に、狗巻はまたやってしまった、という表情になる。
花宮は男性が苦手である。
もちろん、仲良くなれば気にしなくなるのだが、初対面の時は狗巻も、乙骨も、伏黒も、五条も、夜蛾も、伊地知も…みんなかなり苦手とされていた。
その理由として、花宮は昔から可愛かったが故に、小学生男子特有の"好きな子はいじめたい"という習性に酷い目に遭わされていたからである。
もちろん相手の男子は花宮が好きでやっていたことだが、花宮にはそんなことわからず、ただ虐められていると思っていた。
それ以来、花宮は男性が少し苦手になってしまったのだ。
今はかなり仲良くなっており、気遣う必要もない狗巻だが、万一嫌われるようなことがあれば…と思うと気が気ではない。
故に、仲良くなった今でも、狗巻は花宮への対応は人一倍気をつけている。
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作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月30日 3時