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「__棘、」
「棘、今日やばいな」
「すじこ……」
花宮が熱を出して休んでいる間、狗巻は凄かった。
それはもう凄かった。
運動着に着替える時も、後ろ前逆に着てしまっていたり。
訓練が終わって教室へ戻る時も、自身の教室ではなく職員室の扉を開いてしまったり。
自分の席とパンダの席を間違えて座ったり……
それはもう、見ていられなかった。
「まあ、もうちょいで学校終わるし、終わったらすぐ見舞いに行こうな」
「しゃけ」
「アイツちゃんと飯食ったかな」
「なんか持ってってやろうぜ」
狗巻は勿論のこと、パンダと禪院も花宮のことが心配でずっと気になっていた。
__ピコン、
ふと、禪院のスマホから通知音が鳴った。
送り主は花宮。
APbhT&
全然意味がわからない文字列にその場の全員が首を傾げる。
「なんて……?」
「わからん」
「明太子……」
A@4G
A1qp/bgczy?
「お、おいヤバいんじゃないか?」
1度ならまだしも、何度も意味のわからない文が送られ続けてきて、禪院が眉をひそめる。
「おい、どうす……」
禪院が狗巻の方を見ると、狗巻は顔をサーッと青くしていた。
「と、棘?」
「た、高菜……こんぶ……!!」
「あっ、おい!棘!」
まだ授業が残っているのに、教室を飛び出す狗巻。
狗巻は花宮の身に何かあったのではと不安で堪らなく、様子を見に行った。
「あの馬鹿……」
「まあ、棘の気持ちもわからんでもないがな」
「てか、Aのやつマジでどういう…………あ、」
花宮の送ってきた文の意味がわかった禪院。
パンダはまだ理解しておらず、頭に"?"を浮かべている。
「真希、わかったのか?」
「あぁ、そんな大したことない文だったよ。
キーボードをアルファベットの方に設定しちまってるだけだ」
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作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月30日 3時