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「おはよう」
ガラガラ、と教室のドアが開き、鈴がなったような声が響く。
すると、それまで眠たそうに半分ほど閉じかけていた目をパッと開き、シャキッと姿勢を正す狗巻。
「高菜」
「棘くんおはよう〜」
今日は朝から寝癖が酷くって、と前髪を弄りながら微笑む花宮。
そんな花宮に胸をときめかせながら適当におにぎりの具で返す狗巻。
花宮は教室をキョロキョロと見渡して、不思議そうな顔を見せた。
「あれ?真希ちゃんがいない」
「真希ならまだ来てないぞ〜」
同級生、そして同じ女子である禪院の姿を探す花宮に、パンダが答える。
「あれ!パンダくんいたんだ、気が付かなかった!」
「え。こんなに存在感あるのに??」
ごめんね、と手を合わせて謝る花宮に、これまた"可愛い"という思いを噛み締める狗巻。
「真希ちゃんどうしたのかな?」
花宮がそう言った途端、再び教室のドアが開かれる。
今度は結構勢いよく。
「おいA!!!何で先に行ってんだよ!!」
「あっ!真希ちゃん!おはよ〜
真希ちゃんいつもの時間に部屋に迎えに来てくれないから、先に行ったのかと思って」
「黙って置いていく訳ねぇだろうが」
「真希ちゃんかっこいいね」
「おかか」
「否定すんなよ、棘」
花宮から発せられる"かっこいい"には女子でもなんでもとことん否定していく狗巻。
花宮はなぜ否定されるのかわかっていないが、特に気にはしていない。
「あ。そういえばね、昨日憂太くんからメッセージがきてて…なんて返そうか悩むんだけど一緒に考えてくれる?」
「憂太からぁ?」
ほら、とトーク画面が映されたスマホをみんなに向ける花宮。
それを見ようと、ぎゅっと集まる禪院、狗巻、パンダ。
二人と一匹には、最後に送られている乙骨のメッセージが目に入る。
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憂太好きだよ
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思わず吹き出してしまう禪院、「ほほぉ…?」とどこか楽しそうにするパンダ。
そして花宮のスマホをぶんどり、乙骨への返信に【許さない】と打ち込み送信しようとする狗巻。
それを止める禪院。
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作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月30日 3時