あおいろ

夏の匂い3 ページ47

大貴side

部活終わり、急いで病院に行く。

面会は8時までだから1時間はいれるな。

コンコン

大貴「慧ー」

慧「おー大ちゃんー」

ニコニコと迎え入れてくれる慧に少しホッとした。

大貴「あれ、光は？」

慧「小便小便」

ヘラヘラしながら教えてくれる。

大貴「せめてトイレっていいなさいよ」

慧「へへへ」

ガラッ

光「お、大ちゃんー」

慧「光、小便でたか？」

光「こら、下品な言い方しないの。お前は小学生か」

パフッと頭を叩かれた慧は、またヘラッと笑う。

なんだ。全然元気そうじゃんか。


光「大ちゃん、まだいるだろ？」

大貴「え、うん。いるけど光帰るの？」

光「うん、飯作んねーとだしなぁ」

慧「えー…」

あからさまに嫌そうな慧が少し可愛い。

光「また明日来るってば」

慧「…ん」

ポフポフと慧を撫でて、光はまたなーと帰ってしまった。


大貴「よっこらしょ…」

空いた椅子に腰をかける。

慧「ふふ、お爺ちゃんみたい」

大貴「ほっとけやっ。…検査、今日だったんだっけ」

慧「ん、もう終わったよー」

大貴「結果は？」

慧「明日明日」

大貴「おー、そっかそっか……」


でろーんっとベッドに項垂れている慧。


ケロっとしてるけど、疲れたんだろうな。


慧「ねぇー大ちゃんー」

大貴「んーー？」

慧「大ちゃんはさ、俺が死にたいっていったらどうするよー」

あまりにも明るい声で聞かれてビビる。

大貴「え？」

慧「あっ、別に今は死にたいって思ってないからね」

固まる俺に、笑って慧が言う。

今は……ってことは、そんなこと考えたことあんのかよ…

大貴「……じゃあさ、慧は俺が死にたいっていったらどうする？」

慧「ほぇ？そんなの嫌だね」

表情を崩すことなく、当然のように答える。

大貴「俺も同じだよ」

慧「………あぁー、そっか。そーだな」

大貴「………どうしたよ？」

いきなりそんなこと言われると、心配になるじゃんか………

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