ずっとこのままで【楓原万葉】 (ページ16)

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従順と闇ページ16

南十字隊員side

私は南十字隊に所属している者だ。
私の主な役割は食糧の保管に管理。あとは雑用だ。

まぁ、自分の紹介はこれぐらいとして、本題に入ろう。
数ヶ月程前、璃月で北斗さんが孤児を拾い、万葉さんがその孤児の名をAと名付けた。
まぁ、私達としては人手も増えるし有難い。

だが、如何やら彼女は読み書きが出来ないらしい。
そして万葉さんが教える事となり、彼女は万葉さんとよく共にいる様になった。
別に私は二人が共にいるくらい苛つきなどはしない。
只、問題は前迄は彼女がよく笑って嬉しそうに万葉と一緒に居たのに、
最近はどんよりとしている。

周りからは喧嘩でもしたのだろうかとあったが、万葉さんは彼女と違って
ニコニコと満面の笑みだった。
最近の若者は恐ろしい。
何を考えているのか全く分からん。

「A、樽を運ぶでござるよ。」
『うん。』

「A、拙者から離れては危ないでござろう？」
『うん。』

「A、食糧調達しに行くでござるよ。」
『うん。』

「「••••••••••」」

•••まぁ、周りも違和感を持つだろう。
彼女があまりにも従順過ぎる事に。
目に光が宿って無い。
死んでる人の目みたいだ。

あとは全く他の人に話し掛けない。
此れは北斗さんも気付いてる様だった。
北斗さんは「ま、そう云うお年頃ってやつなんだろ！」と自己解釈していた。

ある夜、見張りで海をぼーっと眺めていたら、彼女が居た。
彼女の手元には小さく折り畳んだ手紙が一枚に鳩が一匹、手すりに留まっていた。

私は咄嗟に隠れ、彼女の様子を伺っていたが、手紙の内容を見ると嬉しそうに笑っていた。
そして何処からともなく炭を取り出したかと思うと、何かを書き始めた。
そして自信満々そうな顔をした。

•••••字、汚ったな？！！
え、万葉さんに教えてもらってたんじゃないんか？！は？！！
読めねぇよ！クソが！！
てか誰宛じゃ！！

•••いけない、正気を失っていた。
暫くジッと見ていたが、鳩に手紙を入れた後、急いで部屋に戻った。
読み書き、教えてやるか•••。
そして見張りを交代し、眠りに就いた。
しかし、其処でふと思った。

彼女が戻った部屋って万葉さんの部屋だった様な気が••••••••