#36 消えたい私と笑顔たち ページ36
「うっさ、ええやろ別に」
そう永瀬くんが呟いてから、数秒の沈黙に襲われる。
俯きながら感じる2人…いや、3人の視線。
注目されてる。そりゃ、そうだよね。
この家に来た初めての女子らしいし。
てゆうか全然喋ったことないし。
そりゃ注目するよね。
きっと何だこいつ、って思われてる。
それから、何で何も喋んないの…？って思われてたっておかしくない。
「パ……」
頭の中は完全にパニック。
沈黙始まってから何秒経過？
分からない。こういう時、10倍くらい体感時間が長くなるから。
「パンツ、乾きましたか…！！！」
勢い任せに、両拳を握って放った言葉。
乾いた喉につっかえて、やたらと大きな声が飛び出した。
「…へ？」
__________嘘、でしょ。
あー…やった。やってしまった。
あり得ない。いくらパニックだったからって、これはない。
何もかも、さっきの下手なイメトレのせいだ。こんなんだったらウジウジと、黙ったまま下を向いていた方が数億倍マシじゃないか。
「あ…すみま………私、もう」
ジリジリと爪先をずらして、後ずさる。
ここに来てから1分も経っていないだろうけど、もういっそ帰りたい。…というか、この場から今すぐに消えてしまいたい。
「ぶっは！！何、もしかしてさっきの俺の叫び見てたの？」
「…え、」
「やばぁ、廉、この子おもしれぇわ」
私の予想を遥かに裏切って、笑いながらそう言うハスキーボイス…確かしょう、って人と、その横でお腹を抱えてるかいと、って人。
隣の永瀬くんは、助け舟を出すとか言っておいて、ただ口に手を当てて笑っているだけだ。
“何でも笑いに変えてまうのが取り柄やから”。
さっきの彼の言葉が、うっすらと脳裏を過ぎった。
「…ちが、すみません、何言ったらいいか分かんなくなっちゃって」
「いやぁ、にしてもおっきい声だったね」
「あ…ごめんなさい……」
もう、今度は恥ずかしさで本格的に消えてしまいそうだ。
あっという間に顎の先から頭頂部まで真っ赤っか。
湯気が出るんじゃないかってくらいの勢いで、頬に大量の熱がこもる。
「ううん、上がって？」
恥を超えてもはや泣きそうな思いを抱えながら、促されるままに靴を脱いだ。
未だにへへっ、だとかと笑っている“かいとくん”の背中を追って、薄いドアの向こう側へ。
男の子の部屋の割には、結構綺麗に片付いた部屋。
気になるのは、やたらとしゃくれた動物のグッズがいくつも置いてあることくらいだ。
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もちこ(プロフ) - yimmさん» はじめまして！コメントありがとうございます。お楽しみ頂いているようで何よりです…！ご期待に添えるようこれからも更新頑張ります！ (2020年10月25日 17時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - もちこさん、はじめまして☆お話楽しく読ませていただいてます。この後の展開を妄想するとなんかだかドキドキ(笑)更新頑張ってください。 (2020年10月25日 7時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - しおりさん» コメントありがとうございます。主人公可愛く書けててよかったです…！これからも是非色んな想像をしながらお楽しみいただけると嬉しいです、よろしくお願いします！！ (2020年10月23日 17時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 欲しいスタンプ俺が買ったるって何語ですか…？永瀬さんの妹になって買って貰いたい！それからなんですか！主人公ちゃんの可愛さ！！永瀬の妹って立場利用して主人公ちゃんと付き合いたい！ (2020年10月22日 21時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです。ご期待に添えるようこれからも更新頑張ります！ (2020年10月20日 22時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちこ | 作成日時：2020年10月13日 19時
