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「お待ちしておりました」
本日は他国の国王とその従者達が直々に我が国へと来訪される日。
グルッペン総統閣下を始め、軍人であるがこの国の外交官としても動いていただいてるオスマン様と幹部の鬱様、トントン様と共に上級指導者であるスチュワードと私メイドリーダーで客人をお迎えする。
広間にて数十名のメイドとバトラーが構えて出迎えた後、会話をなされながら歩くお客様と主人の後ろを歩く。
スチュワードは一番先頭で今回使用する応接室へと誘導し、優雅に扉を開ける。
私も続いて無駄な動作をせずに紅茶を入れて彼らの前にお出しした。
「ふむ、彼女が噂のメイド長…かな?」
「失礼ながら当国ではメイドリーダーという職名を与えています」
「彼女の入れる紅茶は一級品ともいえるでしょう、ぜひお召し上がりください」
そう言ってニコリとほほ笑むオスマン様。
使用人は口を挟まない。
目配せをし、軽く頭を下げてからスチュワードとともに下手に移動すると、相手国の国王様は紅茶を口に運ぶことなく、こちらを凝視する。
目線を合わさず斜め下を見ているが付き人達もこちらを見ているようで嫌でも気になる。
「なかなか若い女性が指揮をとっているのですな、もしや夜のほうも…」
「さっそくですが○○国王殿、お話ししたい案件が複数ございますのでそろそろ始めても?」
「ふむ……、そうですな」
ジロリと再度こちらに舐めるような視線を向けられるもグルッペン様の言葉に遮られたためか不意に付きまとう嫌な気配は消えた。
隣にいるスチュワードが一瞬こちらに目を向けたのが気配でわかる。
たまにいるのだ、こういった男と女の従事関係を性的な意味でとらえ、見てくる客人が。
もちろん私たちはその様な行為は全くしない、あくまでも主人と使用人、そこに性的なものはないのに。
「…お前たちは下がれ。何かあれば呼ぶ」
「『かしこまりました』」
今回の視線はあまりにもひどいものだったようで、トントン様の命令により退室した。
いつもは嫌な視線に耐えつつ、外交会議中に起こる様々な雑務をこなすのだが…。
「全く女性は大変ですね」
『失礼ながらあのような方はどうしようもないのです』
「言いますね。毎度の事ながら男に生まれてよかったと心から思いますよ」
『私がどこかの女王であればあのお方のココを切り捨ててあげましたのに』
廊下へ出ると直ぐにスチュワードは眉を下げながら笑って話しかけてくる。
私はスチュワードの首に爪を這わして軽く横へ引いた。
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カオル - いや、あのほんと、ドストライクで好みなんで、いや、マジ楽しみにしてます、、語彙力ヤバいっすけど、失礼しました。 (2019年10月21日 20時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちちも | 作成日時:2019年7月15日 0時