守護 墓守 ページ4
懇願
あの日初めて僕は恋に落ちたのだろう。Aを見た瞬間、汚らしいと思っていた世界が輝いた。僕の視線に気がついて微笑んでくれたのは天にも昇る思いだった。
「アンドルーさんよろしくお願いしますね」
今日のゲームはAと一緒らしい。
「あぁ…こちらこそ…」
何か気の利いた一言を言おうと思ったがAの前だと頭が真っ白になる。ゲームに支障が無いといいが…
"2人脱出"
もちろんAも脱出している。僕は初めて大切なものを守れたような気がする。やっぱりAは僕の女神様なのだろうか。
「あんたのこと…ず、ずっと好きだったんだ。恋人になってくれないか…？」
一生の中で一番の勇気を振り絞ってAに告白をした。返事なんて無くてもいい、僕の気持ちを知って欲しいかったんだ。
「あの、その…私、アンドルーさんのことあんまり詳しく知らないから友達からでもいいですか？」
僕は自分の耳を疑った。あの美しいAが友達になってくれるなんて奇跡だ。化け物ぐらい言われると思っていたけどやっぱりAは心も美しいらしい。他人から見たら所謂フラれたに入るんだろうけどそれは僕にとってそれで十分過ぎた。
「あぁ…ありがとう。あんたのことは絶対守るから、安心してくれ」
「頼りにしてます！」
Aと友人ととして過ごす日々はあまりにも幸せだった。それが僕の一方的な思いだとしても。何気ない仕草や癖、Aのひとつひとつのことに興味が持てたし、Aを守れるのは僕だけだと思った。
「っ…⁉あっ、あんた荘園から出るのか…?」
恐れていた日が訪れたんだ、Aが荘園から出るらしい。わかっていたんだ、ずっと前から。こんな幸せな日々が永遠に続く訳がないと。でもどうしても悲しいし、悔しかった。これから僕は何を支えに生きていくのだろう？Aが居ないと僕は…自分を少なからず思ってくれる人がそばにいる。こんな人並みの幸せを願うことはいけないことなのか？化け物の僕にはお似合いだと、そういうことなんだろ。この運命に対する怒りが浮き上がったが一瞬にして冷たい、この手が触れ続けてきたあるモノに辿り着いた。
「あんたに最後に…見せたいものがあるんだ。ついてきてくれ…」
僕はその日初めて墓を美しいと感じた。Aが眠るそれだけで神聖なものに変わった。
「僕が守れるのは結局、墓だけだったんだな…あぁ、でもこれであんたを死ぬまで守り続けられる。」
続く
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作者 - パスワードを紛失してしまったため、もう一度別に制作することに致しました。ご迷惑をおかけしますがタイトルは変更しています。 (2021年7月12日 18時) (
レス) id: 58cd58d594 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました。 (2021年3月7日 2時) (レス) id: 06202acefd (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年3月3日 14時
