ご褒美 ページ33
なんの匂いだろう。真横にいる伊野尾先輩から、めっちゃいい匂いがする。ていうかさ!いくらなんでも近すぎじゃね?隣に並んで…っていうのはわかるけど、伊野尾先輩の場合、並ぶっていうかぴとってくっついてきてるんですけどぉ!
「ねぇ?ちゃんと聞いてる?」
「は、はいっ!」
いい匂いはするし、くっついてるから柔らかい感じがするし。俺、汗臭くないかなって気になるし。ヤバい…先輩の話が入ってこない。
やましい考えを追い払って、先輩が説明してくれるのを必死で聞いて。先輩の声、かわい……。
カクンと首が前に落ちて、目が覚めた。やべぇ。寝てた。そーっと隣を見ると、伊野尾先輩と目が合う。ちょっと、怒ってる?
「ごめんなさいっ」
「じゃあ、ここまで頑張ったら………」
「…え」
先輩の言葉に絶句しているうちに、ページの終わりに印をつけられた。そんなにも?多くね?
ひとつひとつ、先輩に丁寧に教えてもらってなんとか1ページ分やり終えた。めっちゃ疲れた…。でもっ!これのために頑張ったんだから。
「先輩っ、ご褒美って」
「え、いる?」
えぇ〜、そんなぁ。俺、頑張ったのにぃ。
「山田」
チュッ。
名前を呼ばれ、顔を上げた瞬間ほっぺにむにって感触と聞こえたリップ音。
「ククククッ。山田、真っ赤だ」
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ゆー(プロフ) - こむぎさん» 続きも楽しんでもらえるよう、頑張りますね。コメント嬉しかったです。ありがとうございました。 (2019年4月20日 3時) (レス) id: 51cc9e921a (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - 続き、楽しみにお待ちしております! (2019年4月19日 17時) (レス) id: 6f30dadff4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆー | 作成日時:2019年2月25日 17時